10.【自己愛性パーソナリティ障害】と防衛機制
*【自己愛性パーソナリティ障害】になる原因は?
自己愛性パーソナリティ障害と診断された人々は
中心的な防衛機制として【分裂】(スプリッティング)を用いる
『防衛機制』とは
受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に
それによる不安を軽減しようとする、無意識的な『心理的メカニズム』である
欲求不満などによって、社会に適応が出来ない状態に陥った時に行われる
『自我の再適応メカニズム』を指す防衛機制には、発動された状況と頻度に応じて、健康なものと不健康なものがある
不安や受け入れがたい衝動から守り、自分の自己スキーマを維持(自己正当化)するためになされる
『現実の否認』または『認知の歪み』といった心理的戦略であるとされる(wikipedia)
『防衛機制』とは
危険や困難に直面した場合、受け入れがたい苦痛・状況にさらされた場合に、それによる不安や体験を
減弱させるために無意識に作用する『心理的なメカニズム』のことである。(看護roo!)【理想の自分・欲望・価値観】→不協和(矛盾)←【現実の自分・挫折・失敗・困難】
↓
『欲求不満・承認欲求・ストレス・不安・恐怖』の増大
↓
矛盾(不安・恐怖・苦痛)を軽減・解消しようとする『心理的メカニズム』
『分裂 (心理学)』とは
心理学において分裂とは、人間の思考において、自己と他者の肯定的特質と否定的特質の両方を
統合して、全体として捉えることの失敗である。『全か無か思考』とも呼ばれる
分裂は、赤ん坊が満足させてくれる親の側面(良い対象)と、満足させてくれない親の側面(悪い対象)を良い面と悪い面を分けたままに見なして、同じ個人に統合することができないことに由来する
精神分析理論においては、これは防衛機制として機能している(wikipedia)
↑図)カーンバーグによる病的な自己評価の調節図 誇大的・万能的自己と無能的・無価値的自己に分裂している
『ありのままの本当の自分』の否定
↓
誇大的・万能的自己 ← 分裂 → 無能的・無価値的自己
投影↓同一化 ↓投影性同一視
理想化された外的対象 脱価値化された外的対象
(権力者・強者・教祖) (弱者・少数者・批判者・脱落者)
そこでは、世界は
『良い・強い・美しい・優越な自分』を投影した『善』と
『悪い・弱い・醜い・無能な自分』を投影した『悪』に分断される【善悪二元論】
そして
『良い(できる・強い)自分』を誇示するために『悪い(できない・弱い)他人』を攻撃することで
『悪い(できない)自分』を否認しようとする
自分の立場を上げるため、他者を貶める酷い言葉や人格否定、パワハラを繰り返し
自分にとって都合のいいことだけを繰り返して、相手をマインドコントロールしようとする
同時に
『悪い(できない)他人』が『良い(できる)自分』を陥れようとしているという被害妄想に取り憑かれ
『良い(できる)自分』→差別・強制・排除・支配・命令(国のために〜)→『悪い(できない)他人』
=「正当な行為、差別ではない、ヘイトではない」=《否認》
『良い(できる)自分』←批判・差別反対・労働運動・自然保護・不正追及←『悪い(できない)他人』
=「不当だ、反日だ、日本人ヘイトだ、全体主義だ」=《被害妄想・陰謀論》
という認識になって、自分の行動(存在)を正当化しようとする【認知の歪み】
例)トランプ↔バイデン
『良い(できる・強い)自分』をトランプに投影し
『悪い(できない・弱い)自分』をバイデンに投影し
攻撃することで、自分の正当性=正義を強調しようとする
そこでは被害妄想に取り憑かれて客観的視点や共感能力が失われる→陰謀論
・『現実』と『妄想・仮想空間』の区別がつかなくなる
・他者との距離感が取れなくなる
トランプと同一化しすぎて、バイデンを憎悪しすぎて、カルト宗教化する
心の中の不安・恐怖を取り除くために、何か(他人)に同一化しようとする→共依存状態
『靖国神社』『国の為に死ぬ』を強調しながら、SNSのサムネに『トランプ』を使っている人⋯
それはアイドルの写真を部屋に飾り、グッズを常に身につけておくことで、心に安心感を得ようとするのと同じ心理
社会の同調圧力と強迫観念の中で、不安や恐怖や不全感や承認欲求が膨張し
『理想の万能な自分』→不協和(ギャップ)←『現実の無能な自分』
↓
不安・恐怖・劣等感の増大
↓
教祖・強者・アイドル←(心酔盲従)←分裂→(罵倒攻撃)→生贄・敵・弱者・アンチ
↓
権力者・強者と同一化することで万能感・優越感・安心感を得ようとする
同時に受け入れられない『無能な弱い自分』は、脳の無意識領域に抑圧され、外界の対象(弱者・少数者・批判者・脱落者・子どもなど)に投影され、それらは脱価値化される。その対象は「すべて悪」となり、その悪を攻撃・罵倒・人格否定・誹謗中傷・虐待することで、誇大的・万能的自己を確立しようとする
そこでは他者の意思や意見を尊重することができない
これらの過程に固有の防衛機制は、脱価値化・理想化・否認である
そのことにより、「自分は多数派・強者・優秀・間違わない」「正義・救世主・森羅万象を司る」
という優越の錯覚=万能感に陥る
と同時に、「反対者は悪魔・卑しい・弱者・醜い・嘘つき・自分を陥れようとしている」
という思い込み・被害妄想・陰謀論に取り憑かれてしまう
そこから『陰謀論』や『歴史修正(否認)主義』が生まれ、
『御用学者』や『ネトウヨ』が生まれる
そこでは自分の中にある『悪』や『弱さ』や『罪』を認識することができない
だから平気で他者を差別し、罵倒し、妄想に基づく誹謗中傷する。
自分の中の『悪・弱さ・罪』の否認=共感力の欠如=客観的視点の欠如になる
御用学者の認識=善悪二元論
『善・正義・美しい』(忠誠・忖度) ←分裂→『悪・嘘つき・卑しい・醜い』(反抗・批判)
権力者・経営者・強者・東京・日本人 被害者・少数者・労働組合・地方・沖縄・アイヌ
水俣病(御用学者)
「貧乏人が腐った魚を食べたからだ」(アミン説)
「被害者(貧乏人)は金が欲しくて嘘を言っている」「労働組合は外国のスパイ」
【認知の歪み・妄想・思い込み・学歴信仰】→被害の拡大
陰謀論
「トランプは正義の味方・救世主」
「バイデンは悪魔・中国に操られている」
【認知の歪み・被害妄想・思い込み】
その【認知の歪み・被害妄想・思い込み】が
福島原発事故やコロナ対策(PCR抑制論)、辺野古埋立反対運動、NHK字幕捏造問題につながっている
*『分裂』はどうして起こるのか?
それは「自己愛性パーソナリティ障害」原因となる因子として
『先天的・遺伝的』要因 +『後天的・環境的』要因
(困難な出来事)↓ストレスの増大
神経伝達物質のバランス異常・脳の異常
↓(発症)
心疾患・うつ病・PTSD・依存症・自傷・人格障害・統合失調症など
『先天的・遺伝的』要因と『後天的・環境的』要因があるが、最近では
後天的・環境的要因として一番大きいのは「虐待や過干渉やネグレクト等の
不適切な養育(マルトリートメント)による愛着障害(アタッチメント障害)で
脳の抑制機能の発達が阻害され、ストレスに弱い大人になる」とされてきている
1つの価値観(勝敗・優劣・上下・競争・強弱)に依存しすぎて、善悪二元論に囚われて
それを絶対化しすぎて、他の価値観を理解できなくなる
自分を客観的に見ることが出来ず、脳の抑制機能が成長できず
感情や行動のコントロールが出来なくなり
物事に行き詰まり、薬物依存や非行に走りやすくなる