【認知的不協和理論】『ネトウヨ』と『リベラル』を分けるもの
はじめに 『ネトウヨ』と『リベラル』の思考の違い
人は自分の存在(やってきた行動・価値観・欲望・感情など)を正当化するために“認知を改変”する
人は生まれたときは周りは怖いものだらけで、自分が生きていくために親は絶対的な存在であり
「親に甘えたい。守ってもらいたい。構ってもらいたい。認めてもらいたい。親の言うことは絶対」だったのが
身体や脳が成長するにつれ、徐々に周りの世界に興味を持ち、視野を広げていく内に、「自分はこう生きたい」という意志を持ち、“自立心”や“反抗心”が生まれてくる
しかし、例えば“受験競争”や“体育会系”などの『ピラミッド支配構造』の“競争社会”の中で、「勝たなければならない、負けたら生きる価値がない」というような“社会的・精神的・物理的圧力”がかかる中で
「存在を否定されたくない。認められたい。皆と同じでなければならない」
というような、“同調圧力“や“強迫観念”が増大していくに伴って、『不協和(不安・恐怖・不全感・劣等感・ストレス)』が増大していくと、それを解消しようとする“心理的メカニズム(防衛本能)”が発動し、“逆のベクトル”への圧力がかかり、脳が『依存状態』になっていく
その状態になると(ギャンブル依存症と同じように)自分の状況を客観的・俯瞰的に見れなくなり、冷静な判断力が失われる
〈依存→自立〉の“逆のベクトル”がかかる
植え付けられた『古い認知=ピラミッド支配構造』を絶対化し、“競争・勝敗・順位・優劣・強弱⋯”が価値観の全てとなり、そこでは相手に勝って、権力者に認められ、褒められることが目的となり、自分を俯瞰的に見て、相手の立場になって考えることができなくなる
それは「否定されたくない」という不安・恐怖が強いほど、自分を守ろうとする“防衛本能”から依存性が強くなり、短絡的・近視眼的になり、攻撃的になる
そこから“いじめ・虐待・体罰・パワハラ”などの『依存行動』(心の中の“不安・恐怖”を打ち消すための行動。不協和(矛盾)を解消しようとする行動)が生まれてくる
同じように“クレーマー・あおり運転・ヤフコメ(誹謗中傷)”なども、不協和(不安・恐怖・不全感・劣等感)を解消しようとする『依存行動』であると言える
そこには「相手より上に立ちたい。自分のほうが優秀、強い、多数派⋯」という“優越欲求”がある
例えば、“カルト宗教・ヤクザ・オタク”など、心の中の『不協和』が大きいほど教祖・親分・アイドル・組織に忠誠を誓い、盲従し、依存する度合いが大きくなると同時に、自分のほうが「強い、スゴイ、人気がある」と自慢したがる。と同時に、反対者は「弱い。醜い。性格が悪い」と、蔑む(思い込む)ことで、自分の存在を正当化しようとする。そこで“優越欲求”を満たそうとする
つまり、その「自分の存在を正当化したい、否定されたくない」という『不安・恐怖・不全感・劣等感』が増大する中で、「皆に認められたい。人より優位に立ちたい」という“承認・優越欲求”が強まる中で“認知を改変”し、ネトウヨ化していく
心の中の『不安・恐怖』を打ち消すために、「教祖は素晴らしい人間(日本人は素晴らしい民族)」と思い込むと同時に、教祖(権力者)と“一体化”し「教祖を“反対者”から守ること」=「自分の存在を守ること(保身)」=『私利私欲・既得権益』=「愛国心」になっていく
生まれた時から競争社会の中で、「他者に勝たなければならない。皆と同じでなければならない。逃げたら負け。負けたら生きる意味がない。反抗してはならない。組織に“命を捧げる”ことが使命」というような“同調圧力・強迫観念”の中で、「勝った、負けた」と繰り返していくうちに脳が『依存状態』になっていく
育ってきた『古い認知』を正当化・絶対化すると同時に、「自分は正しい、正義、愛国者」「反対者(『新しい認知』)は反日、在日、共産主義者、悪魔」「自分は悪くない。悪いのは全部相手のせい。誰かか自分を陥れようとしている」という『優越の錯覚、被害妄想、他責思考、善悪二元論』に取り憑かれてしまう
『御用学者』の生まれる仕組み
その中で、水俣病における『御用学者』が生まれてくる。
⋯幼い子供の時から、植え付けられた『古い認知=ピラミッド支配構造=学閥支配』の中で、「否定されたくない、認められたい」という“承認・優越欲求”が暴走し、客観的・合理的・体系的・科学的思考や、想像力・共感能力が失われる
被害者の痛みを理解できず、権力構造・企業・経営者・既得権益を守るために“認知を改変”し、「企業・政府は悪くない、貧乏人が傷んだ下魚を食べたため(自己責任)」「被害者はカネ欲しさに嘘を言っている」「反対運動・労働組合は外国のスパイ」という妄想のもと被害を拡大させていった
そして、同じように自分の中の“不協和”を解消しようとする思考回路から『陰謀論』『歴史修正主義』が生まれてくる
⋯例えば、『古い認知=支配構造』を正当化するために「“特攻”のおかげで、今の日本の平和繁栄がある」と“認知を改変”し、「特攻は犬死だった」という人に激怒し、「反日だ。死者を貶めようとしている。日本人ではない」と批判者を罵倒・攻撃することで、自分の“存在=依存行動”を正当化しようとする
『ネトウヨ・御用学者』の精神構造
「不安・恐怖・不全感・劣等感」の増大を打ち消そうとする防衛本能
(承認欲求) ↓ (優越欲求)
権威への『忠誠・服従』=弱者・少数者への『支配欲・コントロール欲』
(依存行動) ↓ (ドーパミン)
安心感・優越感・万能感
そして、それが「モリカケサクラは“マスコミの捏造”で“濡れ衣”」「アベノマスクは意味があった」などと“認知を改変”し、また“国葬”“統一教会”“マイナ保険証”、あるいは“辺野古埋立問題”などに対する対応の違いに表れてくる。そこから『ネトウヨ』や『御用学者・評論家・芸能人』が生まれてくる
それらは(“とんでも校則”や“国旗国歌”や“特攻”や“企業研修”や“素手でのトイレ掃除”などと同じで)、教祖・権力・組織に“服従・同一化”し、価値を押し付けることで“支配欲・コントロール欲”を満たそうとする『依存行動』で、そこでは、それらの持つ負の側面(矛盾・欺瞞・不合理・損失・無駄)を全く無視し、行動を強制することで、万能感・優越感・安心感を得ようとする
権力への不正追及に対して、まるで「自分の存在を否定されている」ように感じ、防衛本能から「野党は批判ばかり」と責任を相手に押し付けようとする
『脳』の構造−「理性」と「本能」の関係
脳は「思考・知性等」を司る『理性』(前頭前野)と、「感情・欲望等」を司る『本能』(大脳辺縁系)に分かれていて、『本能』から湧き出る「感情・欲望」(好き・嫌い・不安・恐怖・怒りなど)を『理性』が制御コントロールすることによって 人は思考し、判断・選択・決定し、行動を起こす
『本能』から湧き出る、「○○が欲しい」「✕✕が食べたい」「△△をしたい」とか、あるいは「他者に勝ちたい」「金持ちになりたい」「人の役に立ちたい」というような《感情・欲望》に対して、“その目的を達成するためにはどうしたら良いか⋯” “今これをしたらどうなるか⋯”など、様々な選択肢の中から『理性』が客観的・俯瞰的・多角的に見て考える
そこで、「今は必要ない」「身体に害をなす」「将来に悪い影響を及ぼす」「他人に迷惑をかける」 などと欲望や感情や行動を抑制したり、「他者に迷惑をかけた」「失敗した」「損害を与えた」と過去の行動を反省し、二度ともうやらないように注意したり、逆に 「こうすれば解決する」「こうすれば欲望を満たせる」「儲けられる」「他人に喜ばれる」「こっちの方法が良い」などという、意欲・創意・工夫が出てくる
脳の『抑制機能』が発達することで、大人からの指示に対して「これはしたくない。すべきでない」という意志が生まれ、また、たくさんの選択肢の中から「こっちのほうがいい」という判断・選択・決定できるようになり、そこから『自立心』が生まれ 、一人の人間として生きていけるようになる
子供の頃は『大脳辺縁系』(本能=感情・欲望)の比重が大きく、いろんな障害や外敵から身を守り、生きていくためには、「親の言うことは絶対。甘えたい。 構ってもらいたい。注目してもらいたい」という思いで一心だったのが⋯
子どもの脳の発達速度
思春期(反抗期)の頃から『前頭前野(抑制機能)』が発達するに連れ、視野を広げ、自分で生き方を判断・選択できるようになり、親の「命令・期待」に対して自分の「意志・信念・価値観」を守ろうとする《自立心》が生まれてくる
『抑制機能』の発達
遊びや勉強など、社会で生きていく中で、いろんな興味や疑問を持ち、冒険や試行錯誤、失敗や挫折をくり返しながら視野を広げ、依存先を増やすことによって柔軟な思考を獲得し、コミュニケーション能力や社会性を身に着け、生きる力ができてくる
困難にぶつかった時、「どうしたら解決できるか?」という、いろんな選択肢や可能性を“柔軟”に広げることができるようになる
自立とは何か?
『自立』とは、いろんな依存先を増やすこと
脳の『抑制機能』が発達することで、過去の経験や記憶(良いor悪い)を踏まえて、「何をやるべきか」「何をやるべきではないか」判断し、感情や欲望や行動を抑制できるようになる
しかし、何らかの原因(事故や病気、虐待など)で脳の抑制機能のネットワークが損傷すると、『理性』が『本能(記憶・感情・欲望・行動など)』を認識・制御コントロールできなくなる→『高次脳機能障害』
抑制機能のネットワークが遮断され、思考の柔軟性が失われ、
1.記憶障害、
2.注意障害、
3.遂行機能障害、
4.社会的行動障害(固執性・感情コントロールの低下・欲求コントロールの低下・依存性・退行)
などによって、思考・行動が“硬直化”し日常生活や社会生活に支障が生じてくる
そこでは、自分が病気とは認識できず(病識の欠如)、融通が利かなく、怒りっぽくなったりする
神経伝達物質のバランス異常と《抑制機能》の低下
その『理性』と『本能』の関係(抑制機能=神経のネットワーク)を形作っているものは《神経伝達物質》である
そして、その人それぞれの「抑制機能の強さ・深さ」「神経伝達物質のバランス」「理性と本能のバランス」の違いによって、『性格や思想や行動』の違い=『個性』が出てくる
いろんな物事・刺激に対して、どう脳が反応し、どう行動するか?それは『生まれ持った体質』や『育った環境』によって各々で違ってくる
そこで、同じ物事に対しても『好き・嫌い』が出てくる
何に興味・関心を持ち、社会問題に対してどう感じるか?
どういう社会がいいか?どう行動するか?⋯そこに多様性や対立が生じる
いろんな現象に対して、どれだけ“客観的”に、“多角的”に、“深く”原因を追求することができるか?⋯自ずと差が生まれてくる
意識の深さ
その神経伝達物質のバランスは『遺伝的要因』と『環境的要因』で決まり、その中でも、ストレスへの耐性を決める要因として幼少期の育った“環境”が大きく影響し、特に不適切な養育(マルトリ)によって『脳の構造』が大きく変わってくる
人間は『強いストレス』がかかったり、『日常的・慢性的なストレス』 がかかり続けると身体がそれに反応し、神経伝達物質のバランスが変化する
ストレスがかかると、ドーパミン、ノルアドレナリンが過剰分泌され、セロトニン欠乏が起こる。その反応は、本来、脳を覚醒させ、集中力・判断力を高め、やる気・意欲・闘争心を向上させる。それは危機に対応するための『防衛本能』である
⋯一方で、それが慢性的に続くと『不安や恐怖』を感じる《扁桃体》が活性化され、過敏になる。そうすると、ちょっとしたことでストレスホルモンである『コルチゾール』の分泌量が増加し、その濃度が上昇するにつれて、徐々に脳の神経細胞の活動が低下し、破壊され、海馬が萎縮し、前頭前野の機能が低下し、感情や行動の制御ができなくなる
コルチゾール過剰分泌による脳細胞の破壊
そうすると、冷静で客観的な思考が失われ、『不安・恐怖』が暴走し、理性的・合理的・抑制的な判断ができなくなる
そのことが体罰やパワハラや長時間労働・過労・睡眠不足が続くと身体的・精神的に不調をきたし、キレやすくなったり、非行・犯罪に走ったり、自殺する原因となる
さらに、脳の抑制機能が低下し『不安・恐怖・絶望感』や『被害妄想』が暴走し、「死にたい」「人を殺したい」という思いに支配され、それが自殺・凶悪犯罪の原因となっていく
睡眠不足で不安・抑うつが強まる神経基盤を解明/国立精神・神経医療研究センターより
よく犯罪を起こした人⋯体罰・虐待・あおり運転・窃盗・性犯罪・レイプ・汚職事件など、「記憶にない」と否認し、嘘を付き、「自分は悪くない。相手が悪い。誰かが自分を陥れようとしている」と、責任を相手になすりつけ、自分の責任を矮小化ようとする
それは
1:前頭前野の(認知・抑制)機能低下
2:扁桃体(不安・恐怖)の過敏・暴走・機能異常
3:(短期的な記憶や情報を制御する)海馬の損傷
⋯
などの脳のネットワーク・バランス異常が影響しているとも考えられる
つまり、自分の行動(犯罪)が認識できなく、行動を反省し、欲望を抑制できなくなっている
だから、同じ過ちを何度も繰り返す
《抑制機能》の低下と、『サイコパス』
・『前頭前野』の機能が低下すると、キレやすくなる
・欲望や感情や行動の暴走を抑制・制御コントロールできなくなる
・自分の行動が客観的に見れなくなる
⋯と同時に、都合の悪い記憶を消し去り、都合の良いように書き換える。現実と妄想・願望の区別がつかなくなる(被害妄想・陰謀論)。『不安・恐怖』が暴走する中で、自分を正当化するために平気で嘘をつけるようになる(本人は嘘をついているという認識はない)
そうして、嘘をつくことに罪悪感を感じない『サイコパス』になる
『不安・恐怖』から自分を守ろうとする防衛本能から条件反射的に嘘をついてしまう。脳の中にそういう「嘘をつく思考(神経)回路」ができてしまう
脳が『自己正当化』するために、『新しい認知(幻覚・妄想)』を捏造する
言い訳・言い逃れ(御飯論法・ああ言えば〜)に終始し、追い詰められるとパニックに陥り、証拠を無意識に捏造・改竄・破棄してしまう
そして他者に責任を転嫁しようと攻撃的になる→他責思考「自分は悪くない。悪いのは全部、他者のせい」
自分の欲望(行動)の暴走を止められず、不正・癒着、身内優遇、便宜供与、権力の私物化を指摘されると、「自分は悪くない。全部相手が悪い」「国家国民のためにやった」「批判は自分(=日本)を貶めようとする印象操作だ」「悪夢の民主党政権」など
自分の『存在』を正当化するために認知を書き換える
最近では、「叱ったり、怒鳴りつけても効果はない。自分の思い通りに動くように『不安・恐怖』を与えることで相手をコントロールしようとしても、なぜ叱られたか理解できなく、すぐ忘れ、嘘をつく人間になる」と言われている
常に「自分は優れている。間違わない。自分は偉い。自分は強い」と威張り散らすと同時に自分の行動を批判されると、まるで自分の存在が否定されたかのように捉えすぐにカッとなり、キレて相手を口汚く攻撃する
それは抑制機能が低下し、「自分の行動を客観的・俯瞰的に見れなくなっている」から
それは自分の潜在意識の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感』の裏返し
脳の【依存状態】とは
『ピラミッド支配構造』の中で、競争や体罰や過干渉などで『ストレス』を与え続けると、身体を守ろうとする“防衛本能”が働き、“扁桃体”が活性化され過敏になり、前頭前野の機能が低下していく
扁桃体が活性化し過敏になると、常にちょっとしたことで『不安・恐怖』に襲われ、その苦痛から逃れようと、何かに依存しようとする心理的圧力がかかり、身体が無意識のうちに行動を起こす
報酬系の回路が出来上がり、同じ行動を繰り返す【依存行動】
【依存行動】をすることによって“支配欲、承認・優越欲求”を満たし、ドーパミンを放出させ、快感・多幸感を得て、“不安・恐怖”や“鬱屈・不全感・劣等感”を晴らそうとする
そして1度その『報酬系(快楽)の回路』が出来上がると、その快感・多幸感を求めて、身体が無意識に動き出し、「やめたくても、やめられない」状態になる→【依存状態】
依存状態
防衛本能の暴走
例えば、なぜ
*政治家が頻繁に“会食・宴会やゴルフ”を重ねるのか?
*汚職・身内優遇などに鈍感なのか?
*靖国や統一教会などのカルトに嵌まるのか?ズブズブなのか?
*暴言・失言を繰り返し、人を差別・侮辱せずにはいられないのか?
それは、そのことによって心の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感』を解消しようとする【依存行動】であると言えよう
自分の存在に対する『不安・恐怖』が脳を支配する中で、集団を作り、その中で自分の存在意義を正当化しようとする
何か《絶対的なもの=神・強者・権威》に依存・同一化することで『万能感・優越感』を得ようとする⋯
「日本は神の国」「靖国神社は日本の伝統文化」「夫婦同姓が日本の伝統文化」「国旗国歌を尊重するのは世界の常識」「英霊(特攻)のおかけで日本の平和・繁栄がある」など
そして、それを他者に押し付けることで、支配欲・コントロール欲を満たそうとする
《神・権威・強者・教祖》=〔同一化・依存〕=《自分(不安・恐怖・不全感)》
↓(支配欲・コントロール欲)
〘他者・子ども・弱者・少数者・外国人・批判者〙
規則・ルール・(とんでも)校則・マナー・礼儀・道徳・愛国心・国旗国歌・靖国神社・特攻・八紘一宇・家父長制・夫婦同姓・軍備増強⋯などを絶対化し、権力を高め、みんなを従わせる。⋯と同時に、それに従わない人を攻撃・排除することで、承認・優越欲求を満たし、快感・万能感・優越感・安心つも感を得ようとする
強者・教祖・神・組織への『服従・忠誠』“欲”が強いほど、弱者への『支配・コントロール』“欲”が強い。1つの価値観を絶対化し、それを強制しようとする。そして、そういう人ほど“攻撃性、支配性、縄張り意識、および儀式的行動意識”が強く、批判や反対意見に耳を傾けることができない
果たして、その行動(感情・欲望・本能)はどこから来るのだろうか?
「三位脳一体理論」(仮説)
アメリカの脳進化学者ポール・マクリーン氏の「三位一体脳理論」の《仮説》によると、人間の脳は長い進化の過程で、積み重なるように大きく三層に分かれ、一番内側は本能を司る「爬虫類脳(反射脳)」、その外側に感情を司る「哺乳類脳(感情脳)」、一番外側に論理的思考を司る「人間脳(理性脳)」で構成され、それらが相互作用で働いているという
その仮説自体は「間違い」ということだが、それぞれの脳部位の役割や特徴をみると、人間の行動を理解する上で参考になることが多く、実際にその脳の特性を利用し、権力者・経営者・詐欺師はマーケティングや、洗脳・教育を行い、人々の行動を一つの方向へ誘導・コントロールしようとしている
この脳の特性(仮説)を見ると『サイコパス』が「人間脳」の機能低下によって、「爬虫類脳・哺乳類脳」が優勢になっていることが推定できる
→教祖・強者への“服従心・忠誠心”が強く、また、他者・弱者・少数者・異端者への“攻撃性、支配性、縄張り意識(排除)、および儀式的行動”が強く、それを他者へ強制したがる
誰でも経験上、『サイコパス・詐欺師・独裁者』ほど口が達者で、人の話をじっくり聞くことができず、途中で遮り、口から出まかせで平気で嘘やデマをばら撒き、すぐ激怒し、恐怖心を煽り、人を侮辱することで、自分を正当化しようとする。自分がいかに優れているかを主張する
その、それぞれの脳部位の強弱、神経ネットワークバランスの違いによって、様々な問題に対する認識の違いが表れてくる。『保守』と『革新』、『ネトウヨ』と『リベラル』の認識の違いに表れてくる
『ネトウヨ』と『リベラル』の認識・価値観の違い
その対立の中で、自分の考えこそが正しく、批判者に対して「洗脳されている」「日本を陥れようとしている」「日本を貶めようとしている」と攻撃する
そこには、心の中の『不安・恐怖』が増大する中で、幻想・妄想を絶対化することによって、自分の『存在』を正当化しようとするバイアスがかかっている
自分が育ってきた古い体制(古い認知)を絶対化し、「力の強い者に服従したい」「認められたい」「人の上に立ちたい、支配したい、コントロールしたい」というバイアスがかかり、そこで認知を歪めてしまう。『認知を改変』してしまう
自分の存在・行動(服従・忠誠・支配・差別)を正当化し、承認・優越欲求を満たすために認知を改変する→『愛国心』
【認知的不協和理論】による、『デマ(陰謀論)』が生まれる仕組み
『認知的不協和理論』によると、大地震のあとにデマや噂・流言は、人々の『不安・恐怖』を正当化するために生まれ、拡散していく。『自分』と『周り(社会)』の「不協和(ギャップ)」が大きいほど、デマを拡散し、周囲の不安を煽り、不協和を解消しようとする。自分の感情(存在・行動)を正当化しようとする
認知的不協和理論
例えば「スリーパーセルが潜んでいる」「米国大統領選挙陰謀論」「沖縄陰謀」「地球温暖化陰謀論」「マスコミは在日が牛耳っている」「在日認定」など、周囲の人々に『不安や恐怖や憎悪』を煽ることで、不協和を解消しようとする。自分の存在・感情・欲望を正当化しようとする
口裂け女・ノストラダムスの大予言
狭い競争社会の中で、人々(子ども)の『不安・恐怖』が増大する中で、“口裂け女・妖怪”や“ノストラダムスの大予言・地球滅亡”や“地震雲・人工地震”などの非科学的な言説・妄想が広まっていく。自分の『感情・行動』を正当化しようと「新しい認知(幻想・妄想・神・悪魔)」を生み出していく
カルト宗教は“地球滅亡”や“宇宙人襲来”などの『不安・恐怖』を煽ることで人々の心の中にある『扁桃体(不安・恐怖)』を刺激し、教祖は人類を救う救世主で、自分達は「選ばれた人間」であると洗脳していく
そして、「批判者は悪魔に洗脳され、操られている」「自分達を陥れ、世界を支配しようとしている」と危機意識を煽り、信者に「組織・救世主のために命をかける」ことを求め、結果的に、信者から全財産を巻き上げる
独裁者・サイコパスは「敵が攻めてくる。批判者は外国のスパイだ。皆から取り残される。仲間外れにされる」と『不安・恐怖』を煽ることで、人々をコントロールしようとする。「自分達は選ばれた人間。特別な人間」だということを強調することで万能感を植え付け、忠誠心や依存心を持たせ、騙そうとする
心の中の『不安・恐怖』が増大するほど、脳の“前頭前野”が衰弱し、自分の“行動”を正当化しようと、「認知を改変」していく。客観的・俯瞰的視点が失われ、何か《絶対的な力》に依存することで『不安・恐怖』を解消しようとする
『不安・恐怖・ストレス』→軽減しようとする心理的圧力→【依存行動】→行動を正当化するために認知を改変する
洗脳の仕組み。【依存行動】を正当化するために認知を改変する
そうして簡単に騙される。知らない内に、心をコントロールされ、洗脳されている
人は『古い認知(やってきた行動・価値観・信念)』を正当化するために認知を改変する
人は自分の存在=『古い認知(やってきたこと)』を正当化したい生き物
自分の『行動』を正当化するために認知を変更する
自分の存在=『古い認知(やってきたこと)』を正当化するために、自分の存在を否定しようとする『新しい認知(価値観)』に対する不安・恐怖から、「昔は良かった」とか「今の若者は⋯」と文句を言いたがる。他者の行動を批判したがる。「悪いことは全部、○○のせいだ」と決め付けたがる。そうすることで、自分の中の不協和=『不安・恐怖』を低減・解消しようとする
例えば、スポーツ選手・体育会系、あるいは受験・偏差値エリートのように『体罰』や『受験競争』をくぐり抜けて育ってきた人にとって、その『体罰』『受験競争』を否定することは、自分の存在を否定することになる。だから、『体罰』『受験競争』、そして、その支配構造(ピラミッド構造・上下関係・差別・習慣)を正当化するために認知を変更していく
1つの価値(古い認知)を絶対化するあまり、自分の存在を正当化しようとするあまり、客観的・俯瞰的・科学的に物事・事実・現実を見ることができなくなってくる。自分に“都合の悪いこと”が見えなくなる
植え付けられた『ピラミッド支配構造』の中で、「勝たなければならない」「負けたら生きていけない。生きる意味がない」「みんなと一緒でなければならない」という同調圧力・強迫観念が強く、自分の存在=『競争・管理・道徳・愛国心・忠誠心』(優劣・強弱・上下関係・差別)を正当化しようとするあまり、批判的意見、反対意見を排除し、深く、多角的に思考できる人を、ふるい落としていく。そうして、国を一つの方向へ持って行こうとする
不安を煽ることで、権力者の都合の良い奴隷を作る
【認知的不協和理論】『リベラル』と『ネトウヨ』に分かれる仕組み【脳の構造の違い】
人は自分の存在を正当化するために、認知を改変・捏造する。自分の存在を守ろうとする“防衛本能”から『陰謀論』『歴史修正主義』が生まれる
人は『理想の自分』と『現実の自分』、『自分の(古い)価値観』と『他者の(新しい)価値観』との“不協和”が拡大すると、「不安・怒り・ストレス⋯」が増大する
すると、その不協和(矛盾)を解消しようとする圧力が高まり、その中から『①リベラル』と『②保守』に分かれる
①『古い認知(やってきたこと)』を改め、『新しい認知』を取り入れる
②『古い認知』に拘り、『新しい認知』を否定する
大抵そのどちらかで、その上で、その自分の“選択”を正当化するために
そして、その“どちらを選択するか?” の決定に大きく関係するのが
[脳の構造]=[『理性』と『本能』のバランス・感受性]の違いである
「リベラル派」と「保守派」の『脳の構造』の違い
英ロンドン大の研究によると
“リベラル派であるほど『前帯状皮質』の灰白質の容積が大きく、保守派であるほど『右扁桃体』の容積が大きい傾向があることがわかった”
“前帯状皮質は複雑性の理解に関連しており、大きい人ほど不確実性や対立への認容性が高く、目新しいものや不確定さを追求する”→リベラル
それに対し
“扁桃体は恐怖心の処理に関連しており、これが大きい人ほど、反感や脅すような表情に敏感で、危機的状況・悪いことが起きそうな状況に対して身体が攻撃的に反応する傾向がある”→保守派
つまり保守派は周囲の脅威に敏感で、自分の存在を守ろうとする『防衛本能』から『古い認知』を絶対化し、全体主義・排外主義的行動をとりやすい
縁故主義・友達優遇に走り、規則ルールの絶対化・家父長制・夫婦同姓・スパイ防止法・厳罰化・軍備増強などを主張し、他者に強制することで仲間意識を高め、安心しようとする
それらは心の中の「不安・恐怖」や「不快感・不全感・劣等感」を解消しようとする『依存行為・強迫行為』であると言える
つまり、「不安・恐怖」や『脅威』に襲われたときの脳の反応と、それにどう対応し、行動するかによって、“リベラル派”と“保守派”に分かれる
『扁桃体』と『前頭前野』との関係(抑制機能)において
①強・自立抑制行動:客観的視点、原因の追求、科学的思考(リベラル派)
↕《抑制機能》←不安・脅威・ストレス(不況・災害・戦争⋯)
②弱・依存強迫行動:組織の強化・保身、異質者の排除・攻撃(保守派)
の傾向がある
◉どうして『ネトウヨ』は、「ネトウヨ」と言われると怒るのか?
◉「日本死ね」とか『表現の不自由展』に対して怒るのか?
◉政権批判や反対意見に対して、「いつも怒っている。嫉妬している。貶めようとしている。日本人ヘイトだ」ように感じるのか?
それは、自分の潜在意識の中の《無能的自己》=《悪い・弱い自分》を相手に投影しているからに他ならない。それは、潜在意識にある『不安・恐怖・劣等感』の裏返しである
自分に自信がなく、「自分の存在を否定されたくない」という思いが強すぎて、自分と教祖を同一化しすぎて、教祖が非難されることに耐えきれず、客観的視点が失われ、条件反射的に相手を誹謗中傷することで安心しようとする
1つの価値を絶対化し、自分の姿を客観的に見ることができない。自分の行動を反省できない。反対意見を尊重できない
そのことが、水俣病における“御用学者”の出現(→企業・権力擁護、被害者への誹謗中傷、陰謀論)につながっている
自分の存在に対する「不安・恐怖」から、被害者の立場に立って考えることができず、客観的・合理的・科学的思考が失われ、認知を歪め、被害を拡大させた
同じように“米大統領選挙陰謀論”や“沖縄陰謀論”を叫び、盛んに「中共に操られている」と妄想・デマを垂れ流している
それが“モリカケサクラ・学術会議任命拒否”、“PCR抑制論・アベノマスク”、“夫婦別姓・LGBT法案”、“統一教会・国葬”などの“認識の違い”にもつながっている
『護憲派』と『改憲派』
その人が『リベラル派』か?『保守派』か?に分ける指標の1つとして、【護憲派】か?【改憲派】か?があり、そこには、根本的に「“憲法”とは何か?」という“認識の違い”がある
①【護憲派】は「憲法は国民が権力を制限するもの」と認識し
権力
↑制限「権力は〜してはいけない」(自由、人権尊重)
国民
②【改憲派】は「憲法は権力が国民を規定するもの」と認識している
権力
↓規定「国民は〜でなければならない」」(人権より国家)
国民
その“認識の違い”は、どこから生まれてくるのか?
人は『自分の存在(やってきた行動・価値観・信念)』を正当化するように認知を改変する。つまり、自分の存在を正当化するために、ある人は憲法を守ろうとし、ある人は憲法を変えようとする
同じように、その“感性の違い”をよく表すものの1つとして、広島平和公園の原爆死没者慰霊碑に書かれてある
“安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから”
という言葉に対して、どう感じるか?の違いに表れてくる
①「素晴らしい言葉だ」と感じるか
②「許せない。日本人は悪くない」と怒り出すか
さて、あなたはどう感じるか?⋯それはその人の価値観や感性、読解力、『思考回路=神経のネットワーク』によって違ってくるものだから、「どちらが正しい」とか「こっちでなければならない」と強制できるものではない
しかし、その認識・視点の違いはどこから来るのか?⋯それを心理的に分析・分類してみると
①リベラル↔②ネトウヨの違い
1:①全人類的・歴史的・俯瞰的・理想的視点に立って見るのか
②民族主義的・近視眼的・個人的・利己的・現実的視点で見るのか2:①「人間はみな同じ。民族や人種は関係ない」とする立場
②「日本人は特別な人種。神から選ばれた民族(選民意識)」とする立場3:①「自分は間違いを犯す→日本人は間違いを犯す→人間は間違いを
犯す」という『罪の意識』『自省心』(自虐)がある人=自責思考
②「自分は間違わない=日本人は間違わない→悪いのは全部、外国人
のせい」という『優越の錯覚』『悪の否認』『被害妄想』(自己愛)があ
る人=他責思考
①と②に分けられる
その上で
4:①人間の欲望・感情・行動の暴走に対して《抑制的》な人
②人間の欲望・感情・行動の暴走を《正当化》する人
↓《自分の存在・価値観の正当化》
[1番でなければならない・経済至上主義・自然破壊・軍備増強・核武装・反緊縮・原発再稼働・IR五輪万博・拡大利権⋯]
に分かれる
それは、生まれ育っていく中で、受験競争や体育会系のような支配構造(古い認知)の中で、「自分の存在を認めてもらいたい、否定されたくない」というような「不安・恐怖・ストレス・不全感」の中で、『理性』が成長できず、『本能』が活性化され、自分の欲望や感情や行動の暴走を抑制できず、反省できなくなっている
「自分は悪くない」「悪いのは全部、他者のせい」という他責思考に取り憑かれている
「不安・恐怖」の中で、権力者(組織)に“依存・同一化”し、批判者を激しく攻撃・誹謗中傷する
それが、“モリカケサクラ”や“統一教会・国葬”などへの認識の違いに表れ
それが歴史認識の違いにも表れてくる
つまり『リベラル』と『ネトウヨ』を分けるものは?
「わが日本軍に最も必要なことは、武器でもない、弾薬でもない。訓練でもない。これだ」
”反省、自粛”
「自らを省み、自らを慎み、自らの一挙一動、果たして大御心にもとることなきかを自らに問うことである」
これができるかどうか?の差だろう
抑制機能が低下し、意識が分裂し、心の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感』が暴走する中で、客観的・合理的思考が失われ⋯
どんなに、軍備増強・核武装・原発再稼働・スパイ防止法・改憲・靖国神社・反緊縮⋯を主張しても、いくら「自分は正しい、間違わない、優秀、強い」と粋がってみても、そして、全体主義・軍国主義・ファシズム国家を実現しても、決して、心の中の『不安・恐怖』が治まることはない
その感情は膨張し続け、被害妄想の中で、常に“生贄”を作り出し、憎悪を煽り、反対者を攻撃・粛清し続けなければならない
それは、ロシアや北朝鮮や中国やナチスや大日本帝国を見れば明らかだろう
「自分の存在を否定されたくない、認められたい」という思いの中で、古い認知(支配構造)を絶対化する中で⋯
「勝たなければならない」という『思い込み・妄想』と、『現実の自分』との不協和(不安・恐怖・不全感・劣等感)の増大する中で、自分の欲望の膨張を止めるこができず、結局は破滅へと突き進む