『ネトウヨ』の心理的考察〜「愛国心」という『依存状態』〜

【認知的不協和理論】人はなぜ「陰謀論」や「歴史修正主義」のにハマるのか?

【認知的不協和理論】は朝鮮戦争時の「中国人民軍」の「米国人捕虜」に対して行なわれていた“洗脳”の仕組みや、人がブラック企業・マルチ商法・カルト宗教などに“ハマる”仕組みの説明するものとして有名で、それは「人は『不協和』が増大したときそれを解消しようと【認知を変更】する」という『心理的メカニズム』を利用したもの。
そして、それは同じように「人は、なぜ『陰謀論』や『歴史修正主義』にの“ハマる”のか」という命題にも応用できる⋯




4.【認知的不協和理論】と『洗脳』と『教育』〜「教育勅語」とは何か?〜

*【認知的不協和理論】

人は『行動』『感情・欲望』『信念・価値観』『社会・環境(他者・周囲)』が【不協和(矛盾)状態】にあるとき、知らず知らずの内に、無意識に、矛盾する“認知を改変”し一貫性をもたせ、不協和を解消しようとする

例えば、体育会系や受験エリート
ピラミッド支配構造(社会)=競争(行動)=勝敗・偏差値(信念)=上昇・闘争心(感情)
それらに一貫性をもたせ、それらを絶対化し、自分を奮い立たせる
そこで1つでも疑問に思ったら(例:競争・学歴等は無意味、マイペース等)、煽ってくる権力に対して『忠誠』から、『反抗』『脱落』に変わるf:id:kaltochan:20220206224741j:image

そして、その心理的カニズムが『洗脳』の手段としても利用される

その洗脳の目的は

「いかに自分(権力者)に忠実な、依存的人間を作るか?」
「いかに思い(期待)通りの『行動』をする人間を作るか?」
「何かあったとき、命を懸けて自分を守ってくれる人間を作るか?」

そのためには、まず疑問を抱かせないこと
小さいときから、常に精神的・物理的・社会的圧力をかけ続け、
『不安や恐怖』を植えつけること

      『洗脳の目的』

 権力者・独裁者・教祖・親分・経営者・アイドル
    支配関係 ↕ (共依存・忠誠・盲従)
 国民・信者・従業員・御用学者・ネトウヨ・消費者

『不安・恐怖・不全感』を解消する為に何かに依存しようとする圧力がかかる

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【認知的不協和理論】は、もともと朝鮮戦争時の
中国人民軍の米軍捕虜に対して行なわれていた“洗脳”や
ブラック企業マルチ商法・カルト宗教などに“洗脳”される
仕組みの説明として有名で

それは
「人は不協和が増大したとき、それを解消しようと認知を変更する」
という心理的カニズム』を利用したもの

参考)認知的不協和(セルフ洗脳):行動経済学とデザイン:38/ジマタロ/note

note.com

「中国人民軍」が「米国人捕虜」に行ったとされる『洗脳教育』

逃げらない状況《不安・恐怖・ストレス》の中で
認知1(信念・価値観)→不協和←認知2(行動・強制・書く)+認知3(僅かな報酬)
 共産党は敵だ   ❌ 「共産主義のいいところ」 + 一本のタバコ
 米国は素晴らしい ❌ 「米国の悪いところ」を書く+ 一個のお菓子
          ↓
1.『信念・価値観』に反する『行動』を強制させられる
2.『行動(仕事)』に対して『報酬』が少ない→割に合わない(不快感・不満)
[例えば1.『信念・価値観』=『行動』だと不協和は発生しない
また2.
『報酬』が多ければ不協和は発生しない(報酬の為だと納得する)]

この行為を繰り返し行うことで不協和が増大していくと⋯
『不協和』を解消しようとする心理的カニズム』(防衛機制)が働く

認知3❊(信念・価値観)を変更する
共産主義は素晴らしい」
「米国は酷いことをしてきた」

比較的「認知を変更させやすい」認知3(信念・価値観)を書き換えることで
『信念・価値観(洗脳)』と『行動』と『僅かな報酬(低賃金)』で《整合性》をつける

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これはブラック企業で「なぜ低賃金・長時間労働で働くのか」
ということも説明できる

ブラック企業の場合》
逃げられない状況(借金・生活の為・恩義がある・迷惑をかける等)の中で
仕方なく半強制的に・嫌々ながら
『低賃金・長時間』で『行動(労働)』している内にその『行動(労働)』を正当化させるように
『価値観』を書き換える

『行動(労働)』=『価値観』になるように書き換える。
そうして自分の『行動』を正当化しようとする
→「社会に役立つ・喜ぶ人もいる・将来に役立つ・ヤリガイがある仕事」【洗脳】

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そうして、企業経営者側に立ち、企業(=自己)を守ろうとする
(それは現在の“外国人技能実習生”や、戦前の“徴用工・強制労働”“従軍慰安婦でも同じことをやっている)

そこでは、逃げられない状況の中でいつの間にか
「仕事が面白い・ヤリガイがある」(ヤリガイ詐欺)
「自分の自由意思(信念・価値観)で行動している」かのように《誘導》され
サービス残業・低賃金長時間労働パワハラ⋯の中で
【仕事依存症(中毒)】=奴隷状態になっている

*国家権力と『洗脳』の関係

そしてそれは国家も同じで
国家は教育を使って、国民が権力者の思い通りに
行動するように《誘導》しようとする

権力者が
「どういう人間を必要とするか?
どういう価値観を持った、どういう行動・選択する人間を作りたいか?」

それは場所や時代によって
考え方・価値観・思想によって違ってくる


●例えば戦前は

権力者・上官の命令に忠実で
競って「国家(権力者)の為に命を捧げる」
「国家の言うことに疑問を持たない」「敵を躊躇なく殺せる」

そこに存在意義(快楽)を感じ

「行動を誘導されやすい」「操りやすい」「簡単に騙せる」

依存的・盲信的・情動的・狂信的な兵士を作るための教育を目指し
社会的・物理的・精神的圧力を強めた教育勅語を作った

「鬼畜米英」で『不安・恐怖・憎悪』を煽り『行動』を強制することによって
権力者の思い通りに、集団で自ら動く兵士を作った


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●そして戦後は戦争の反省から

「国の命令に反対できる」「自分の意見を言える」
「権力と距離をとれる」「誘導されない」「周りに流されない」
自立的・懐疑的な人間を作るための教育を目指し
『旧)教育基本法を作った

その目的は物理的・社会的・精神的圧力を減らし
自立した人間(個人)を作ること
戦前の洗脳(同調圧力・強迫観念)を解くこと ⋯

●しかし戦後も進み

時代が「グローバリズム」「新自由主義経済」の中で
巨大多国籍企業や中国をはじめとする新興国との競争が激化する中で
(非正規労働者外国人労働者の拡大政策&労働組合潰しと並行して)

今度は、企業経営者・権力者の「言いなりに」
長時間・低賃金で文句を言わず真面目に働く依存的・盲信的な
「社会の歯車」としての労働者を作るために

物理的・社会的・精神的圧力(不安・恐怖・同調圧力・強迫観念)を強め
権力者の権限を強めた『新)教育基本法を作った
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参考)「現」教育基本法が捨て去ってしまったもの(note)/駒村みどり

note.com

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参考)[https://www.nipponkaigi.org/opinion/archives/1163:title=[新教育基本法] 日本の教育が大きく変わります(日本会議の主張HP)]

その結果が⋯


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『批判的思考が低い日本の教師に、批判的思考を育む授業はできない』
『社会は変えられない」と思い込む日本人に必要な主権者教育』
       /Newsweekjapan 舞田敏彦(教育社会学者)

そうして 

・批判的・冒険的・挑戦的・自立的思考ができない
・みんなと同じでなければ不安でしようがない
・「何をやっても変わらない」「誰がやっても同じ」

というような権力に従順な依存的な若者が増えている
(海外では環境問題や差別問題に敏感な人が増え
社会を変えていこうと言う動きが活発化しているのに
逆に、日本ではそれに否定的な自己肯定感が低い人が増えているf:id:kaltochan:20220207050315j:image

参考)日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~  令和元年版 子供・若者白書

その『社会』『教育』の流れの中で現在は

『自由・平等・自主性・個性・ゆとり・人権尊重・個人主義
を重視する反権威主義護憲派”(リベラル)
 ↕ 対立
『管理・強制・競争・勝敗・優劣・制裁・国家第一・集団主義
を重視する権威主義改憲派”(保守・ネトウヨ)

の対立がある

そして、その対立の源泉はどこにあるのか?