2022-08-07 13.『ネトウヨ』と『リベラル』を分けるモノ 脳の構造 脳は「思考・知性・社会性等」を司る『理性』(前頭前野)と「感情・欲望・行動等」を司る『本能』(大脳辺縁系)に別れていて 『本能』から湧き出る「感情・欲望」(好き・嫌い・不安・恐怖・怒り・悲しみ・快感など)を、『理性』が制御コントロールすることによって 人は思考し、判断・選択・決定し、行動を起こす 『本能』から湧き出る「○○が欲しい」「✕✕が食べたい」「△△をしたい」とかあるいは「他者に勝ちたい」「金持ちになりたい」「バカにされたくない」「認められたい」「人の役に立ちたい」というような《感情・欲望》に対して、“その目的を達成するためにはどうしたら良いか⋯” “今これをしたらどうなるか⋯”様々な選択肢の中から『理性』(思考)が客観的・俯瞰的・多角的に見て考える そこで、「今は必要ない」「身体に害をなす」「将来に悪い影響を及ぼす」「他人に迷惑をかける」 「傷つける」などと欲望や感情や行動を抑制したり 「他者に迷惑をかけた」「失敗した」「損害を与えた」と自分の行動を反省し、二度ともうやらないように注意したり 逆に 「こうすれば解決する」「こうすれば欲望を満たせる」「儲けられる」「他人に喜ばれる」「こっちの方法が良い」などという、意欲・創意・工夫が出てくる 『抑制機能』が発達することで、大人からの指示に対して「これはしたくない。すべきでない」という意思が生まれ、また、たくさんの選択肢の中から「こっちのほうがいい」という判断・選択・決定できるようになり、そこから『自立心』が生まれ 、一人の人間として生きていけるようになる 子供の頃は『大脳辺縁系』(本能=感情・欲望)の比重が大きく、いろんな障害や外敵から身を守り、生きていくためには 「親の言うことは絶対。甘えたい。構ってもらいたい。褒められたい。注目してもらいたい」 という思いで一心だったのが⋯ 思春期(反抗期)の頃から『前頭前野(抑制機能)』が発達・成長するに連れ、視野を広げ、自分で生き方を判断・選択できるようになり、親の「命令・期待」に対して自分の「意思・信念・価値観」を守ろうとする《自立心(反抗心)》が生まれてくる •『自立』とは「依存先を増やす」こと•「視野を広げ、様々な生きる選択肢を用意する」こと•「他者の価値観、批判や反対意見を理解し、尊重する」こと 遊びや勉強の中で、社会で生きていく中で、いろんな興味や疑問を持ち、冒険や試行錯誤、失敗や挫折をくり返しながら視野を広げ、依存先を増やすことによって柔軟な思考を獲得し、コミュニケーション能力や社会性を身に着け、生きる力ができてくる 困難にぶつかった時、「どうしたら解決できるか?」という、いろんな選択肢や可能性を柔軟に広げることができるようになる 抑制機能が発達することで、過去の経験・記憶(良いor悪い)を踏まえて、「何をやるべきか」「何をやるべきではないか」判断し、感情や欲望や行動を抑制できるようになる 高次脳機能障害 しかし、何らかの原因(事故や病気、虐待など)で脳の抑制機能(高次脳機能)のネットワークが損傷すると、『理性』が『本能(記憶・感情・欲望・行動など)』を認識・制御コントロールできなくなる→『高次脳機能障害』 抑制機能のネットワークが遮断され、思考の柔軟性が失われ、1.記憶障害、2.注意障害、3.遂行機能障害、4.社会的行動障害(固執性・感情コントロールの低下・欲求コントロールの低下・依存性・退行)などによって、思考・行動が硬直化し、日常生活や社会生活に支障が生じてくる 思い込みが強く、融通がきかなく、意欲がわかなく、そこから【認知の歪み】か生まれてくる 神経伝達物質 その『理性』と『本能』の関係(抑制機能=神経のネットワーク)を形作っているものは《神経伝達物質》である そして、その人それぞれの「抑制機能の強さ・深さ」「神経伝達物質のバランス」「理性と本能のバランス」の違いによって『個性や思想や行動』の違いが出てくる いろんな物事・刺激に対して、どう脳が反応し、どう行動するか? 同じ物事を見ても、各々で感じ方が違ってくる『生まれ持った体質』や『育ってきた環境や経験』によって、各々で連想や発想が違ってくる同じ物事に対しても『好き』『嫌い』が出てくるものを選ぶにも、コスト重視か、機能重視か、見た目重視か⋯社会問題に対してどうしたら解決できるか?どういう社会がいいか?どう行動するか?⋯そこに多様性や対立が生じるいろんな現象に対して、どれだけ客観的に、多角的に、深く原因を追求することができるか自ずと『差』が生まれてくる その神経伝達物質のバランスは『遺伝的要因』と『環境的要因』で決まり、その中でもストレスへの耐性(ストレスに弱いか強いか)を決める要因として幼少期の育った“環境”が大きく影響し、特に不適切な養育(マルトリートメント)によって『脳の構造』が大きく変わってくる 人間は『強いストレス』がかかったり、『日常的・慢性的なストレス』がかかり続けると身体がそれに反応し、防衛本能が働き、神経伝達物質のバランスが変化する ストレスがかかると、ドーパミン、ノルアドレナリンが過剰分泌され、セロトニン欠乏が起こる。そして、それは個人差があり、同じようなストレスに対しても「反応しやすい人と反応しにくい人」「すぐキレる人とキレない人」「パニックに陥る人と冷静な人」などが出てくる それは本来、脳を覚醒させ、集中力・判断力を高め、やる気・意欲・闘争心を向上させる。それは危機に対応するための防衛本能である。一方でそれが慢性的に続くと『不安や恐怖』を感じる《扁桃体》が活性化され、過敏になる そうすると、ちょっとしたことでストレスホルモンである『コルチゾール』の分泌量が増加し、そのコルチゾール濃度が上昇するにつれて、徐々に脳の神経細胞の活動が低下し、破壊され、海馬が萎縮し、前頭前野の機能が低下し、感情や行動の制御ができなくなる そして、客観的・俯瞰的・多角的視点が失われ、『不安・恐怖』(扁桃体)が暴走し、理性的・合理的・抑制的な判断ができなくなる ストレスと関連する主な精神・身体疾患依存症 うつ病 強迫性障害 摂食障害 双極性障害(躁うつ病) てんかん統合失調症 認知症 パーソナリティー障害 発達障害 パニック障害不安障害 PTSD (こころの病気を知る/厚生労働省) そのことが、体罰やパワハラや長時間労働・過労・睡眠不足が続くと身体的・精神的に不調をきたし、キレやすくなったり、非行・犯罪に走ったり、自殺する原因となる。 「不安・恐怖・絶望感など」が暴走し、「死にたい」「人を殺したい」という思いに支配される→凶悪犯罪・自殺 よく犯罪を起こした人⋯体罰や虐待やあおり運転、窃盗や性犯罪・レイプ、汚職事件など、「記憶にない」と否認し、嘘を付き、責任を相手になすりつけ、自分の責任を矮小化ようとする それは 1:前頭前野の(認知・抑制)機能低下2:扁桃体(不安・恐怖)の過敏・暴走・機能異常3:(短期的な記憶や情報を制御する)海馬の損傷・・・・ などの脳のネットワーク・バランス異常が影響しているとも考えられるつまり、自分の行動(犯罪)が認識できなく、行動を反省し、欲望を抑制できなくなっている だから、同じ過ちを何度も繰り返す サイコパス 『前頭前野』の機能が低下すると、キレやすくなる。欲望や感情や行動の暴走を抑制・制御コントロールできなくなる ⋯と同時に 都合の悪い記憶を消し去り、都合の良いように書き換える。現実と妄想・願望の区別がつかなくなる→被害妄想・陰謀論 『不安・恐怖』が暴走する中で、自分を正当化するために、平気で嘘をつけるようになる(本人は嘘をついているという認識はない)、嘘をつくことに罪悪感を感じない『サイコパス』になる サイコパスについて、犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している ・良心が異常に欠如している。・他者に冷淡で共感しない。・慢性的に平然と嘘をつく。・行動に対する責任が全く取れない。・罪悪感が皆無。・自尊心が過大で自己中心的。・口が達者で表面は魅力的。 他にも、「自己の利益のために人をだます」、「衝動的で計画性がない」、「暴力的で攻撃性が高い」などがある。(これらが全てあてはまる必要はない) 2011年の米ハーバード大学の神経学者・心理学者のジョシュア・バックホルツ氏らが刑務所の受刑者を調査した結果、精神病質レベルが高い受刑者ほど、脳の『腹側線条体』という領域が活発で、すぐに報酬をもらう選択をする傾向にあった。『腹側線条体』は複数ある選択肢の価値を評価する能力と関連する領域で、つまり目先の報酬にすぐに飛びつきやすいことを意味し、そのことは、サイコパスの反社会的行動が、彼らの脳が目先の満足を過大評価し、物事を我慢できず、同時に将来的なコストを無視してしまうことに起因すると示唆している。 また『腹側線条体』と『腹内側前頭前皮質』という別の領域とのつながりが通常よりかなり弱いことも判明した。『腹内側前頭前皮質』は、行動の将来的な結果について考える能力に関連する領域で、自分の行動を客観的に観察し、必要なときはブレーキとして機能し、衝動を抑える。普通の人は自分の行動の結果、どうなるのか予測することができるが、サイコパスはそれができない。 サイコパスの犯罪者は自分の行為がもたらすであろう結果のうち、自分にとって都合の良いことだけを考え、都合が悪い面は考えていない可能性がある。 『不安・恐怖』から自分を守ろうとする防衛本能から条件反射的に嘘をついてしまう。脳の中にそういう「嘘をつく思考(神経)回路」ができてしまう。脳が自己正当化するために『新しい認知(幻覚・妄想)』を捏造する。→「自分は悪くない」「誰かが自分を陥れようとしている」=『陰謀論』『妄言』『虚言癖』 言い訳・言い逃れ(例:御飯論法、ああ言えば〜)に終始し、追い詰められるとパニックに陥り証拠を無意識に捏造・改竄・破棄してしまう。そして他者に責任を転嫁しようとする。攻撃的になり、責任を矮小化しようとする 欲望の暴走、行動の暴走を止められず、不正や癒着、身内優遇、縁故主義、便宜供与、利権拡大を指摘されると、 「自分は悪くない。全部相手が悪い」「国家国民のためにやった」「誤解を与えたら、申し訳ない(誤解するやつが悪い)」「(批判は)自分=日本を貶めようとする印象操作だ」「悪夢の民主党政権」など 人は自分の存在を『自己正当化』するために認知を書き換える 最近では「体罰はもちろんだが、叱ったり、怒鳴りつけても効果はない。自分の思い通りに動くように、『不安や恐怖』を与えることによって、相手をコントロールしようとしても、なぜ叱られたか理解できなく、すぐ忘れ、嘘をつく人間になる」と言われている 常に「自分は優れている。間違わない。自分は偉い。自分は強い」と威張り散らすと同時に自分の行動を批判・反対されると、自分の存在が否定されたかのように捉え、すぐにカッとなり、キレて相手を口汚く攻撃する それは「自分の行動(悪)を客観的・俯瞰的に見れなくなっている」から それは、自分の潜在意識の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感』の裏返し 『抑制機能の低下』と【依存行動】 叱責したり、怒鳴りつけたり、体罰やパワハラで『恐怖』を与え続けると、身体を守ろうとする防衛本能が働き、扁桃体が活性化され過敏になり、海馬が萎縮し、前頭前野の機能が低下していく 扁桃体が活性化され、過敏になると、いつも『不安・恐怖』に取り憑かれ、その苦痛から逃れようと、何かに依存しようとする『依存行動』をすることによってドーパミンを放出させ、「不安・恐怖を解消」し、快感・万能感・優越感に浸り、鬱屈・不全感・劣等感を晴らそうとする そして1度その『報酬系(快楽)の回路』が出来上がると、その快感・万能感を求めて、身体が無意識にそれを求めて「やめたくても、やめられない」状態になる 例えば◉なぜ政治家が、毎日『会食』『宴会』を重ねるのか?◉なぜ汚職や身内優遇・口利き・便宜供与などに鈍感なのか?◉なぜ靖国神社や日本会議や統一教会などのカルト宗教に嵌まるのか?◉なぜ暴言や失言を繰り返し、人を差別・侮辱せずにはいられないのか?◉なぜ平気で嘘をつけるのか?資料を改竄、破棄できるのか? それは、そのことによって心の中の『不安・恐怖・寂しさ・不全感・劣等感』を解消しようとする【依存行動】であると言えよう 自分の存在に対する『不安・恐怖』が脳を支配する中で、集団を作り、その中で自分の存在意義を正当化しようとする 心の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感』を解消するために、何か《絶対的なもの》に依存し、同一化することで『万能感・優越感・安心感・快感』を得ようとする 「日本は神の国」「靖国神社は日本の伝統文化」「夫婦同姓が日本の伝統文化」「国旗国歌を尊重するのは世界の常識」「英霊(特攻)のおかけで日本の平和・繁栄がある」「自分は森羅万象を司る」など 自分の価値観・存在・依存行動を正当化・絶対化するために、認知を改変していく (とんでも)校則・マナー・道徳・愛国心・国旗国歌・靖国神社・特攻・八紘一宇・家父長制・夫婦同姓⋯などを絶対化し、権力を高め、それに従い、みんなを従わせる。と同時に、それに従わない人を攻撃することで、万能感・優越感・安心感を得ようとする 果たして、その行動はどこから来るのか?⋯その源泉はどこにあるのだろうか? 『三位一体脳理論』(爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳) アメリカの脳進化学者ポール・マクリーン氏の「三位一体脳理論」の《仮説》によると、人間の脳は長い進化の過程で、積み重なるように大きく三層に分かれ、一番内側は爬虫類から継承してきた「反射脳」、その外側に哺乳類から受け継いだ「情動脳」、一番外側の新皮質が人間が獲得した「理性脳」で構成され、それらが相互作用で働いているという その仮説自体は「間違い」「否定されている」ということだが、それぞれの脳の役割や特徴をみると、人間の行動を理解する上で、なるほどと思うことが多く、実際にその脳の特性を利用し、権力者・経営者・詐欺師はマーケティングや、洗脳・教育を行い、人々の行動を一つの方向へ誘導・コントロールしようとしている 3つの脳の特徴 爬虫類脳(反射脳):脳幹《本能を司る》「処理速度は速い」 マクリーンによると、爬虫類脳のコミュニケーションは①あいさつ②攻撃・侵略③求婚・求愛④服従の4種類しかない 爬虫類脳の主な目的=優先事項は生命を維持する防衛本能「生きたい」身の危険から守るために「安全でいたい」子孫を残す「勝ち残りたい」ということにあり「危険(恐怖)から逃げたい」「支配・独占したい」「人の上に立ちたいとい」「服従したい」という欲求が強い→支配欲、独占欲、権力欲、所有欲が強い そして、その特性として・変化を嫌う・短絡的、短期的視野・自己中心的 短期的な欲求・利益に跳びつき、反射的に行動を起こす。縄張り意識が強く、新しい行動を嫌い、新しい挑戦を避けたがる。現状維持バイアスが強い 哺乳類脳(情動脳):大脳辺縁系《感情を司る》 哺乳類脳の主な目的は、群れ(社会)を作り、外敵から身を守り子孫を残していくために、「仲間とつながりたい」ということにあり「仲間と一緒にいたい」「嫌われたくない」「愛されたい、認められたい」「重要な人物だと思われたい」という欲求が強い 人間脳(理性脳):大脳新皮質《思考を司る》「処理速度は遅い」 人間脳:論理的に考える思考目的意識を持って、長期的に未来を予測し、論理的に考える 自分自身を客観的に見つめ、未来について考えられるからこそ理性的・抑制的であり、目的意識を持って行動できる 人間脳の欲求は「成長したい」「目標を達成したい、成功したい」「創造したい」「新しいことに挑戦したい」などで矛盾(不協和)を嫌い、合理性(協和状態)を好む→科学的、合理的思考 (上図:霊長類の音に対する脳の処理速度の比較→ヒトが1番反応が遅い) この脳の特性を見ると、『サイコパス』が「人間脳」の機能低下によって、「爬虫類脳・哺乳類脳」が優勢になっていることが類推できる。誰でも経験上、『サイコパス』『詐欺師』『ファシスト』ほど口が達者で、人の話をじっくり聞くことができず、途中で遮り、口から出まかせで、平気で嘘やデマをばら撒き、恐怖心を煽り、人を侮辱することで、自分を正当化しようとする。自分がいかに優れているかを主張する その、それぞれの脳の強弱、バランスの違いによって、様々な問題に対する認識の違いが表れてくる。『ネトウヨ』と『リベラル』の認識の違いに表れてくる 例えば、 「1番でなければ意味がない」→✕←「1番でなくてもいい」「管理・強制・競争・忠誠・服従」→✕←「ゆとり・個性・自主性・平等・自立」「国旗に敬意を払うのは当然」→✕←「国旗はただの布切れ」「特攻のおかけで今の繁栄がある」→✕←「特攻は無駄死に」「夫婦同姓は日本の伝統文化」→✕←「別姓が伝統、同姓は明治31以降」「性教育したら性犯罪が増える」→✕←「性教育が中絶を減らす」「凶悪犯罪を減らすために厳罰化するべき」→✕←「厳罰化しても減らない」「日本人は優秀で悪いことはしない」→✕←「どの民族も同じ」 その対立の中で自分の考えこそが正しく、相手は「洗脳されている」「日本を陥れようとしている」「日本を貶めようとしている」と攻撃する そこには、心の中の『不安・恐怖』が増大する中で、幻想・妄想を絶対化することによって、自分の『存在』を正当化しようとするバイアスがかかっている。自分が育ってきた体制を絶対化し、「力の強い者に服従したい」「認められたい」「人の上に立ちたい、支配したい」というバイアスがかかり、そこで認知を歪めてしまう。『認知を改変』してしまう 自分の存在・行動(服従・忠誠・支配・差別)を正当化するために認知を改変する→『愛国心』 知らず知らずの内に、社会(国)を一つの価値観の方へ持っていこうと、認知を改変する 『不協和の拡大』と「認知の改変」→依存行動の正当化 『認知的不協和理論』によると、大地震のあとにデマや噂・流言は人々の『不安・恐怖』を正当化するために生まれ、拡散していく。『不協和(ギャップ)』が大きいほど、デマを拡散し、周りの不安を煽り、自分を正当化しようとする 例えば、「スリーパーセルが潜んでいる」「米国大統領選挙は中共に操られている」「マスコミは在日が牛耳っている」など、不安や恐怖や憎悪を煽ることで、不協和を解消しようとする。自分の感情を正当化しようとする 人々(子ども)の『不安・恐怖』が増大する中で、“口裂け女・妖怪”や“ノストラダムスの大予言・地球滅亡”や“地震雲・人工地震”などの非科学的な言説・妄想が広まっていく 自分の『存在・感情・行動』を正当化しようと「新しい認知(幻想・妄想・神・悪魔・妖怪・敵・迷信・予言)」を生み出していく カルト宗教は“地球滅亡”や“宇宙人襲来”などの『不安・恐怖』を煽ることで人々の心の中にある『扁桃体(不安・恐怖)』を刺激し、教祖は人類を救う救世主で、自分達は「選ばれた人間」であると洗脳していく そして、批判者に対して「悪魔に洗脳されている。操られている」「自分達(正義)を陥れ、世界を支配しようとしている」と危機意識を煽り、信者に「組織・救世主のために命をかける」ことを求め、結果的に、信者から全財産を巻き上げる 独裁者・サイコパス・ペテン師・マルチ商法は、「敵が攻めてくる」「外国のスパイだ」「皆から取り残される」と『不安・恐怖』を煽ることで、人々をコントロールしようとする。「自分達は選ばれた人間」「特別な人間」「自分達こそ正義」だということを強調することで、万能感を植え付け、『忠誠心』や『依存心』を持たせ、騙そうとする 心の中の『不安・恐怖』が増大すればするほど、『脳の前頭前野(抑制機能)』が低下し、自分の存在・感情を正当化しようと、認知を改変していく。客観的・俯瞰的・科学的視点が失われ、なにか『絶対的な力』に依存することで『不安・恐怖』を解消しようとする そうして、簡単に騙される。知らず知らずの内に、心をコントロールされている 人は自分の存在=「やってきたこと」=『古い認知』を正当化したい生き物。自分の『存在・欲望・感情・価値観・信念・依存・行動』を正当化するために認知を変更する 自分の存在=古い認知(価値観・やってきたこと・習慣・思い込み・依存行動)を正当化するために、自分の存在を否定しようとする新しい認知(価値観)に対する不安・恐怖から、「昔は良かった」とか「今の若者は⋯」と文句を言いたがる 他者の行動を批判したがる。「悪いことは全部、○○のせいだ」と決め付けたがる。そうすることで、自分の中の『認知的不協和』=『不安・恐怖・苦痛』を低減・解消しようとする 古い認知(信念・価値観)→認知的不協和←新しい認知(否定する知見) ↓(拡大) 不安・恐怖・苦痛・怒り ↓ 解消・低減しようとする圧力→『認知の改変・追加』→ 悪いことは全部、相手(新しい認知)のせい→古い認知の正当化 例えば、スポーツ選手・体育会系、あるいは受験・偏差値エリートのように、『体罰』『受験競争』をくぐり抜けて育ってきた人にとって、その『体罰』『受験競争』を否定することは、自分が育んてきた『存在・欲望・感情・価値観・信念・行動』を否定することになるだから、『体罰』『受験競争』、そして、その支配構造(ピラミッド構造・上下関係・差別)を正当化するために認知を変更していく 『体罰』(古い認知)の正当化=自己存在(感情・価値観)の正当化=錯覚・妄想・歪曲・捏造・思い込み=認知の歪み◉『体罰』があったから今の自分がある。頑張れる◉『体罰』によって、我慢する力が生まれる◉『体罰』によって、思いやりの心が生まれる◉『体罰』によって、まともな人間になる。犯罪をしなくなる◉『体罰』は日本の伝統・文化である◉『体罰』は反抗的な態度をとった相手が悪い◉『体罰』するのは、相手への愛情からである。相手のためである◉『体罰』を否定するのは反日。日本を陥れようとしている。GHQの陰謀 1つの価値(古い認知)を絶対化するあまり、自己の存在・行動を正当化するあまり、客観的・俯瞰的・科学的に物事・事実・現実を見ることができなくなってくる それは『受験勉強』でも同じで、「勝たなければならない」「負けたら生きていけない」という強迫観念が強く、『競争・管理・道徳・愛国心・忠誠心』(ピラミッド支配構造・上下関係・差別)を正当化しようとするあまり、批判的意見、反対意見を排除し、深く、多角的に思考できる人を、ふるい落としていく。そうして、国を一つの方向へ持って行こうとする 『不安・恐怖・不全感・劣等感』の暴走→『陰謀論』『歴史修正主義』 人は自分の『感情・行動』を正当化するために、認知を改変・捏造する 自分の存在・行動・感情を正当化しようとする《防衛機制》から、『悪魔』を生み出し、『陰謀論』『歴史修正主義』『選民意識』『ナショナリズム』が生まれる 人が『不安・恐怖』(自然災害や疫病・戦争・不況など)に襲われたとき、それを解消するためにどうするか? ①:その原因を追求する。《個人主義的・懐疑的・科学的思考・知性》 ↕②:神に祈る。迷信を信じる。占いに頼る。人柱を建てる。強者(教祖・救世主)にすがる。《集団主義・権威主義・非科学的・反知性》①>>>抑制機能の強さ・思考の深さ>>>②①<<<声の大きさ・感情的・攻撃性<<<② 人は未知のものか現れたときに『不安や恐怖』を感じる しかし、それがどうして起こるのか“原因”やその“性質”がわかれば、恐怖が少なくなる。そこから科学的思考が生まれる。真実を追求しようとする意欲が生まれる。どうしたらそれを回避できるか、解決できるか知恵が生まれる しかし抑制機能が低下し、『不安・恐怖』が増大さればするほど、②《オカルト系》の方向に振れやすくなる。客観的・俯瞰的・合理的・体系的・科学的思考が失われ、デマや噂やカルトや占いや予見や陰謀論に騙されやすくなり、精神論に陥っていく 情況を冷静に、客観的に見ることができず、自分が「今まで信じてやってきた行動」(古い認知)を正当化しようと、認知を書き換える 今まで信じてやってきた『支配構造・権力構造・利権構造』(古い認知)を守るために、その構造を絶対化するために、そして個人的な保身から、認知を改変していく。批判者や反対者(新しい認知)を攻撃し、排除することによって、支配構造を絶対的なものにしようとする 例えば水俣病における『御用学者』(=『爆薬説』『アミン説』)はどうして出てきたのか?それは〈東京(中央)〉対〈熊本(地方)〉、〈権威医者・学者〉対〈市井医者・学者〉、〈企業経営者〉対〈労働組合〉、〈権力者・官僚・政治家〉対〈被害者・市民運動・野党〉などの対立構造の中で、自分の存在を正当化するために、『新しい認知』を生み出し、デマを(結果的に)捏造していった「自分たちこそ正義=正しくて、反対者は金が欲しくて嘘を言っている。貧乏人が腐った魚を食べたからに違いない。労働組合は外国人に操られたスパイ。自分たちを陥れようとしている」という、『認知の歪み』『不安・恐怖』が、客観的・俯瞰的・科学的思考を麻痺させていった 自分の『存在・やってきた行動』(古い認知)が「否定される、見捨てられる」「排除・粛清される」という『不安・恐怖』が増大・暴走する中で【認知の歪み】が出てくる 脳の中の『不安・恐怖』が、《悪魔・妖怪・幻覚・仮想敵》を作り出し、それに対抗するために集団を作り、「それは間違いだ」と言う批判者・反対者・懐疑者・学者・マスコミを叩くことで、自分の感情・行動を正当化しようとする そこでは、他者の『批判・反対意見』や『忠告』を聞くことができなくなる そこに、「あなたは正しい。間違っていない」「あなたは、選ばれた人間」だと、チヤホヤする人間が現れて持ち上げていき、それに気持ちよくなって『カルト宗教』や『マルチ商法』や『闇の世界(犯罪)』に嵌っていく。身内優遇・縁故主義に走り、権力を私物化していく 人は自分の『行動』を正当化するために「認知を改変する」 理想の自分(成功)→〈認知的不協和〉←現実の自分(挫折・失敗 )「〜でなければならない」 「思い通りにいかない」 ↓ 《不安・恐怖・不全感・劣等感・怒り・苦痛》 古い認知(信念・行動)→〈認知的不協和〉←新しい認知(批判・反対知見)「〜でなければならない」 「〜でなくても良い」 ↓ 《不安・恐怖・不全感・劣等感・怒り・苦痛》「〜でなければならない」という『思い込み・強迫観念』が強ければ強いほど、《不安・恐怖・不全感・劣等感・怒り・苦痛など》が大きくなるそして、それを解消しようする圧力が高まり『カルト宗教』や『マルチ商法』に騙されやすくなる 『理想の自分』と『現実の自分』、『古い認知』と『新しい認知』との認知的不協和〈ギャップ〉が拡大する中で、《不安・恐怖・不全感・劣等感》が大きくなればなるほど、自分を正当化しようとする【防衛機制】が働き、そこから『認知の歪み』が生まれてくる→『陰謀論』 《不安・恐怖・不全感・劣等感》の増大→『行動』の正当化→→【防衛機制】=『認知の歪み』=『被害妄想』「自分は正しい」「自分は間違わない」「自分は悪くない」→「上手く行かないのは、他者のせいだ」「誰か自分を陥れようとしている」「少数者・反対者は、自分や国を騙そうとしている。ズルをしている」「反対者は外国のスパイ。外国に操られている」【依存行動】と『認知の歪み』窃盗→「誰かが自分を陥れようとしている」体罰・虐待→「相手のためである。相手が自分をバカにしたから」ネット荒らし・誹謗中傷→「悪事(ズル)を正すため」あおり運転→「相手に、“悪いことをした”と思い知らせるため」レイプ→「相手が自分を誘ったから。嵌められた。合意の上だった」 『ネトウヨ』と『リベラル』を分けるもの その人を『リベラル』か、『ネトウヨ』かを分けるモノの1つとして、「【護憲派】か、【改憲派】か」がある そこには、根本的に「“憲法”とは何か?」という認識の違い(認知の歪み)がある ①【護憲派】は「憲法は国民が権力を制限するもの」と認識している②【改憲派】は「憲法は権力が国民を規定するもの」と認識している①護憲派=反権力志向=「権力は暴走する」 権力 ↑制限「権力は〜してはいけない」(自由・人権尊重) 国民「権力の監視」②改憲派=権力志向=「権力は常に正しい」 権力 ↓規定「国民は〜でなければならない」(人権より国家) 国民「権力への忠誠」 その認識の違いはどこから生まれてくるのか? 人は『自分の存在・感情・欲望・価値観・信念・行動』を正当化するように認知を改変する。つまり、自分の存在を正当化するために、ある人は憲法を守ろうとし、ある人は憲法を変えようとする その違いをよく表すものの1つとして、広島平和公園の原爆死没者慰霊碑に書かれてある 安らかに眠って下さい過ちは繰り返しませぬから という言葉に対して、どう捉えるか?の違いに表れてくる ①「素晴らしい言葉だ❗❗」と感じるか②「許せない💢💢」と怒り出すか さて、どう感じるか? それはその人の価値観や感性、思考回路=神経のネットワークによって違ってくるものだから、「どちらが正しい」とか「こっちでなければならない」と強制できるものではない そこでの、その認識、視点の違いはどこから来るのか?それを心理的に分析・分類してみると 1:①人類的・歴史的・俯瞰的・理想的視点に立って見るのか ②民族主義的・近視眼的・利己的・現実的視点で見るのか2:①「人間はみな同じ。民族や人種は関係ない」とする立場 ②「日本人は特別な人種。神から選ばれた民族」とする立場3:①「自分は間違いを犯す→日本人は間違いを犯す→人間は間違いを 犯す」という『罪の意識』と『悪の認識』(自虐)がある人 ②「自分は間違わない→日本人は間違わない→悪いのは全部、外国人 のせい」という『優越の錯覚』と『悪の否認』(自己愛)、そして 「誰かが陥れようとしている」という『被害妄想』がある人その上で4:①人間(自分)の欲望・感情・行動(悪)の暴走に対して抑制的な人 ②人間(自分)の欲望・感情・行動(悪)の暴走を《正当化》する人 ↓《感情・欲望・行動の正当化》「1番でなければ意味がない。競争に勝たなければならない。経済成長至上主義。人権より国家。自然破壊。軍備増強。反緊縮。辺野古埋立。原発再稼働。体罰・競争・管理教育の正当化。厳罰化」そして「反対者は自分(国家)を貶めようとしている」という被害妄想 ①と②に分けられる して、その認識の違いが様々な問題に対する意見の対立となって表れる 例えば◉ダイヤモンド・プリンセス号の新型コロナ集団感染や、モーリシャス沖の重油流出事故や、スエズ運河座礁事故などにおける「日本は悪くない。悪いのは外国人」◉技能実習生問題や、名古屋入管施設ウィシュマ・サンダマリさん死亡事件における「日本は悪くない。外国人が悪い。本人の自己責任」◉あいちトリエンナーレの『平和の少女像(慰安婦像)』における「日本人ヘイトだ。慰安婦はただの売春婦」◉「保育園落ちた日本死ね」に対して、「日本人ヘイトだ!」◉原発再稼働推進と、太陽光発電等の再生可能エネルギー否定論、地球温暖化・CO2削減『陰謀論』◉沖縄・辺野古埋立・新基地建設反対運動に対する『陰謀論』◉コロナ禍における「PCR抑制論」「アベノマスクは意味があった論」など それは『水俣病』における“経済成長至上主義”“人権(人の健康)より経済”の考えのもと「企業(チッソ)は悪くない、日本政府(権力)は悪くない」「被害者は嘘を言っている。労働組合は日本を陥れようとしている。野党は日本を貶めようとしている。批判者は外国のスパイ」というのと同じ思考 自分の感情・欲望・行動を暴走を抑制できず、反省できず、問題が起き、失敗したら、「反対者のせい、野党のせい」。常に自分の存在・行動を正当化しようとする そして正当化するために『新しい認知』を追加する→妄想・思い込み・陰謀論 それが歴史認識の違いにも表れてくる つまり、『リベラル』と『ネトウヨ』を分けるものは⋯ 「わが日本軍に最も必要なことは、武器でもない、弾薬でもない。訓練でもない。これだ」 ”反省、自粛”「自らをかえりみ、自らをつつしみ、自らの一挙一動、果たして大御心にもとることなきかを自らに問うことである」 これができるかどうか?の違いだろう 抑制機能が低下し、心の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感』が暴走する中で⋯ どんなに、軍備増強・核武装・原発再稼働・新基地建設・スパイ防止法・厳罰化・改憲・靖国神社・反緊縮⋯を主張しても、いくら「自分は正しい、間違わない、優秀、強い」と粋がってみても、そして軍国主義国家・全体主義国家・ファシズム国家を実現しても、その心の中の『不安・恐怖』が収まることはない その感情は膨張し続け、被害妄想の中で、常に仮想敵を作り出し、粛清し、攻撃し続けなければならない それは、ロシアや北朝鮮や中国やナチスドイツや大日本帝国を見れば明らかだろう 古い認知(競争・管理・支配構造・男尊女卑・家父長制・既得権益など)を正当化・絶対化する中で⋯存在を否定されたくないという『不安・恐怖・不全感・劣等感』の増大→【防衛機制】→権力依存・権力志向・愛国心・権力同一化→優越の錯覚「自分は優秀。間違わない。強い。正義」→被害妄想「批判者は悪魔。反日。在日。陥れようとしている」→(ループ) 心の中の『不安・恐怖』が膨張する中で、その中で欲望の膨張を止めるこができず、結局は破滅へと突き進む