『ネトウヨ』の心理的考察〜「愛国心」という『依存状態』〜

【認知的不協和理論】人はなぜ「陰謀論」や「歴史修正主義」のにハマるのか?

【認知的不協和理論】は朝鮮戦争時の「中国人民軍」の「米国人捕虜」に対して行なわれていた“洗脳”の仕組みや、人がブラック企業・マルチ商法・カルト宗教などに“ハマる”仕組みの説明するものとして有名で、それは「人は『不協和』が増大したときそれを解消しようと【認知を変更】する」という『心理的メカニズム』を利用したもの。
そして、それは同じように「人は、なぜ『陰謀論』や『歴史修正主義』にの“ハマる”のか」という命題にも応用できる⋯




8.【認知的不協和理論】と『ネトウヨ』

*【認知的不協和理論】『保守』と『リベラル』

【認知的不協和理論】

人は自分のしてきた『行動・依存』を正当化させるために
『価値観・信念』『感情・欲望』を改変する

そして、その時生じる不協和(矛盾)を解消・低減させ
一貫性を持たせようと

都合の悪い認知を改変・否認し
新しい認知を追加する(合理化)

例えば、好きな人や尊敬する人の行動を真似たり、同じものが好きになったり

全く初対面でも
自分と同じ「行動」「趣味」「政治的主張」「出身・学校」の人と

分かったら、信頼し、美しく見え、安心するのに対して

自分と反対の人に対しては、疑心暗鬼で警戒し、嫌いになり、醜く見える
(例えば「韓国(人)が好き」と言っただけで憎悪し、攻撃・誹謗中傷する)

虐待や体罰パワハラをしている人は、「自分は正しい、相手の為にやっている、良かれと思ってやっている」と思い込み、自分が間違っている、犯罪行為をしているという意識は微塵もない。必ず否認する

また、同じ『人・物・状況・現象・資料・情報』を見ているはずなのに、いい大学を出て知識量もあるはずなのに、科学的結論が全然違ってくる水俣病の御用学者」

そして、それはコロナ対策でも同じ。「コロナはただの風邪」「PCR抑制論」「アベノマスク擁護」等、なぜ生まれてくるのか?

それらは、自分の『行動を正当化する』ために、認知を変えていると言える

そして、そこには、『改憲』・『護憲』の対立とも重なる

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その違いはどこから生まれてくるのか?

人は小さい時から社会という檻の中に閉じ込められ
教育される

その中で【認知的不協和】が発生する

認知3:勝たなければならない。負けてはならない。逃げてはならない
   みんなと同じでなければならない。良い子でなければならない

 

  認知1:理想の自分・勝利・強い・褒められる・優越感=良い自分
   ↓↑(認知的不協和)
  認知2:現実の自分・敗北・弱い・怒られる・劣等感=悪い自分

そこでは
認知3の圧力(同調圧力・強迫観念)が強ければ強いほど
(認知1認知2)を繰り返す内に不協和(不安・ストレス)が増大していき
それを解消しようとする圧力が高まり『依存行動』を起こす

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そして、その『選択・行動・依存』を正当化するために認知を改変する

(体育会系や受験エリートなど)勝敗・優劣・強弱・偏差値・学歴⋯等
1つの価値観(依存先)の中でしか物事を見ることが出来なくなり

その『依存行動』を認めてくれる人物を尊敬し、支持し

逆にその『依存行動』を否定する人を、集団で《一斉》に攻撃する

そうして仲間意識を高め
万能感・優越感・安心感を得ようとする


その心理的カニズムの中で『保守』『リベラル』に分かれる
●『保守』(権力志向)の場合

認知3を絶対化・強化するとともに、その構造に依存し(依存心・集団主義)
認知2(悪い自分)の否認することで、不協和を解消しようとする

 

『良い自分』分裂・否認・攻撃『悪い自分』投影同一視(他者・弱者)

認知3の絶対化・強化=管理(規則)・競争・順位・優劣・地位・偏差値への拘り(依存症)
認知2の否認悪い・弱い・醜い自分を認識できない=自分は正義・優秀・強い・強者
ナルシシズム=共感能力の低減
権力者視点・権力者(教祖)擁護・自己責任論・選民思想

●『リベラル』(反権力志向)の場合

認知3を懐疑・軽減・否定するとともに(自立心・個人主義ゆとり教育)
認知1(長所)認知2(短所)を統合する=自己肯定感・罪の意識・弱さを認める

 

『良い自分』統合『悪い自分』=尊厳・個性・多様性・共感=(他者・弱者)
=個性を伸ばす・自主性の尊重・多様な価値観=競争・管理・規則の否定
弱者視点・弱者救済・差別格差解消・再分配

 

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*【認知的不協和理論】と『ネトウヨ

ネトウヨ』は
自分の中の不協和(不安・恐怖・不全感)を解消する手段として
自分の中の『悪い自分』を否認・矮小化(見えなくする)
自分の唯一の拠り所として『日本人』『愛国心というものに拘る

「国の為に死ぬ」「特攻隊」「靖国神社というものに
自分の存在意義を見出し、その中で万能感・優越感・安心感を得ようとする

それは同時に、他者に対しても
「国の為に、神の為に、組織の為に死ぬことを求める」ことにつながり
それは“いじめの構図”そのもので
誰かを犠牲にすることで⋯

“誰かを『人柱』にすることで組織の一体感を高めようとする”

そして、そこで“いじめの構造”=“人柱”を正当化しようと
認知を改変・追加する「『特攻』のおかけで今の日本の繁栄がある」


『集団依存・権力志向』においては結束を高めるために
常に誰かを犠牲にして、敵を作らなければならない

心の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感⋯』を解消するために
認知3の権力支配構造を絶対化し、その構造に依存する中で
認知2を否認・矮小化するために新しい認知を追加する

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認知4 :自分は多数派・強者・自分より劣っている人がいる
         →弱者・マイノリティー差別・自己責任論
認知5 :日本人(自分)スゴイ・愛国心・国の為に死ぬ
         →依存症・自民族中心主義・靖国神社改憲
認知6 :批判者は反日・在日・共産党中共のスパイ
         →被害妄想・責任転嫁・在日認定・陰謀論


そうして『万能感・優越感・安心感』を得ようとする

自分の嘘・欺瞞・不正・犯罪を隠すために、批判者を激しく攻撃し
『信者』がそれに《誘導》されて一斉に攻撃する=ネトウヨ・カルト

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自分の欲望の膨張(権力欲・公私混同・身内優遇・権力の私物化⋯)
愛国心とすり替え、思い込ませ、誘導し、洗脳し
「反対者は反日・在日・中共のスパイ」と妄想で誹謗中傷する

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「国のために」「国民のために」と言いながら
自己正当化・保身・利権拡大に邁進し
権力構造を絶対化しようとし
国を破滅へと導く

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『教育』を通じて
人はいつの間にか愛国心依存症】になり
知らず知らずのうちに

自民党も駄目だか野党はもっと駄目」
「野党は批判ばかり」「対案を出せ」
「誰がやっても変わらない」という状態に『洗脳』され

結局気づいたときには
権力の暴走を止めることが出来ず
軍国主義ファシズムに突き進み
国民はただの『使い捨ての道具』=奴隷となっている

国会・民主主義・学問の軽視
歴史・戦争責任・罪の忘却・否定

後戻りできないような状態に陥っていく