『ネトウヨ』の心理的考察〜「愛国心」という『依存状態』〜

【認知的不協和理論】人はなぜ「陰謀論」や「歴史修正主義」のにハマるのか?

【認知的不協和理論】は朝鮮戦争時の「中国人民軍」の「米国人捕虜」に対して行なわれていた“洗脳”の仕組みや、人がブラック企業・マルチ商法・カルト宗教などに“ハマる”仕組みの説明するものとして有名で、それは「人は『不協和』が増大したときそれを解消しようと【認知を変更】する」という『心理的メカニズム』を利用したもの。
そして、それは同じように「人は、なぜ『陰謀論』や『歴史修正主義』にの“ハマる”のか」という命題にも応用できる⋯




5.『ネトウヨ』と『リベラル』を分けるもの〜【権力志向】と【反権力志向】

*【権力志向】と【反権力志向】

人は生まれた瞬間から否応なく、ピラミッド支配構造弱肉強食社会の中で生きていかなければならない
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それは『現在の日本』に限らず

どの政治体制や宗教や地域や時代とは関係なく、中国共産党北朝鮮金王朝や韓国や米国でも、徳川幕藩体制薩長維新政権や軍国主義でも

あるいは、学校や企業や政党や役所の中でも同じ
その中で【認知的不協和】が発生する

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その社会の中で小さいときから

認知3:ピラミッド支配構造の中で上を目指し競争する
   認知1:理想の自分・勝利・成功・褒められる(快感・優越感)
   (不協和)↑↓
   認知2:現実の自分・敗北・失敗・怒られる(恐怖・劣等感)

認知3の支配構造の中で、これ(認知1認知2)を繰り返していくうちに

『ピラミッド支配構造』(認知3)を絶対化するようになり
依存”症”的な人間ができる→保守化

 

それは“ギャンブル依存症”の“間欠的強化”と同じ原理で
目の前の“勝った負けた” “儲けた損した”⋯
それに一喜一憂し夢中になる内に、報酬系の回路が出来上がり
冷静な判断力・想像力がなくなる

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(その中で『体育会系の体罰問題』や『エリート官僚の忖度・不正』が頻発する)

権力者・教祖・上司・支配構造
     ↕(忠誠・忖度)
    自我(存在意義・依存)
     ↕(差別・体罰パワハラ・ヘイト)
  他者・子ども・弱者

ピラミッド支配構造の中で、ひたすら上を目指し
同調圧力と強迫観念の中で、不安・恐怖・ストレスの中で
“勝敗・比較・優劣・上下・順位・偏差値”の中に自分の存在意義(快楽)を見出し
そこに異常に拘る

 

人は、自分の(して来た)『行動』を正当化させるために
“認知を改変する”傾向がある

「受験があったから⋯」「苦労があったから⋯」
体罰があったから⋯」今の自分がある→体罰・虐待の正当化

 

「昔は良かった⋯」
「今の若者は⋯」などという錯覚が起こる

そして過去を美化し
自分のして来た『行動・価値観』を
子供に押し付けようとする→洗脳・教育・躾


体罰・虐待を受けて育った子供が、大人になり
同じように子供に体罰・虐待をするようになる(体罰・虐待の連鎖)


それは、絶対に逃げられないという『檻=ピラミッド構造』の中で
「自分の『存在』を正当化したい」「存在否定されたくない」
「不安・恐怖を解消したい」という心理的カニズム』がある

ピラミッド支配構造の中に自分の存在意義を求め
権力側(差別・体罰・虐待する側)に回ることで
不協和を解消しようとする【権力志向】

 

それはストックホルム症候群にも言える
狭い空間の逃げられない状況の中で
『不安と恐怖』の中で犯人に『服従』している内に
被害者がいつの間にか犯人(権力)側に立ち行動するようになる

「犯人が寝ている間に人質が警察に銃を向けるなど、人質が犯人に協力して警察に敵対する行動を取っていたことが判明した。また、解放後も人質が犯人をかばい警察に非協力的な証言を行った」
ナターシャ・カンプッシュ「これは病気(症候群)ではなく、特殊な状況に陥ったときの合理的な判断に由来する状態である。自分を誘拐した犯人の主張に自分を適合させるのは、むしろ当然である。共感を示し、コミュニケーションをとって犯罪行為に正当性を見い出そうとするのは病気ではなく、生き残るための当然の戦略である(ストックホルム症候群 - Wikipedia)

ja.m.wikipedia.org

それは自分の心と身体を守ろうとする防衛本能

それと同じ『心理的カニズム』で【権力志向】が生まれる

*【権力志向】のメカニズム

●『保守・ネトウヨ』は認知3の支配構造の中で

競争・管理・強制・体罰→存在不安・恐怖→依存・絶対服従(権力構造の絶対化)→権力者側に回ることで『万能感・優越感・安心感』を得ようとする
【権力志向】

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【権力志向】は「不安・恐怖」を解消しようとする《行動依存症》の1つの形態


自分の中にある《不協和》を解消しようとする心理的カニズム』から生まれる


権力側に回ることで、強い大きな存在と同一化(共依存)することで
心や身体が傷付くことから自分の身を守ろとする『防衛本能』

 

戦前は「鬼畜米英」を叫び、「国のために死ぬ」ことを推進し
「英霊(特攻)のおかげて日本の繁栄がある」と言っている同じ人が

戦後は
『米国従属・盲従』路線で「反共」「反中国・韓国」で憎悪・脅威を煽り
【権力(米国)支配体制】【利権構造】【富国強兵】を正当化しようと
再び子供たちに「国のために血を流す」ことを求める

 

強い者(権力・米国)と同一化し、他者(弱者)を支配・差別・憎悪することで
万能感・優越感・安心感を得ようとする


『被虐待児』は自分が「虐待」されているとは認識できない
その構造が絶対的なものだと思い込んでいるので
成長すると同じように子供を虐待するようになる

だから『虐待』している親は、自分が『虐待』しているという認識がない。虐待を否認する


それと同じように

『差別主義者』は自分が『差別』していることを認識できない
自分が権力の奴隷であることを認識できない

*【反権力志向】

それに対して『リベラル』はこの認知3(ピラミッド支配構造)懐疑・否定する

社会の構造・価値観・行動を変えていくことによって
『自己肯定感』を付け、自立することによって
不協和を低減しようとする


●『リベラル』は支配構造の中で

認知2《悪い弱い自分》の肯定→尊厳・共感・自律→ゆとり・自主性・個性尊重
→弱者視点に立って考える→弱者救済・再分配・差別反対・自然保護

弱者視点に立ち権力批判・不正追及することで不協和を解消しようとする
【反権力志向】

ゆとり教育の目的は
認知1(長所)+認知2(短所)=個性→自主性・興味の尊重→共感能力・自律心
【自己肯定感】の育成