『ネトウヨ』の心理的考察〜「愛国心」という『依存状態』〜

【認知的不協和理論】人はなぜ「陰謀論」や「歴史修正主義」のにハマるのか?

【認知的不協和理論】は朝鮮戦争時の「中国人民軍」の「米国人捕虜」に対して行なわれていた“洗脳”の仕組みや、人がブラック企業・マルチ商法・カルト宗教などに“ハマる”仕組みの説明するものとして有名で、それは「人は『不協和』が増大したときそれを解消しようと【認知を変更】する」という『心理的メカニズム』を利用したもの。
そして、それは同じように「人は、なぜ『陰謀論』や『歴史修正主義』にの“ハマる”のか」という命題にも応用できる⋯




3.『依存症』になる“脳の仕組み”

*『依存症』になる脳の仕組み

現在は、医療技術の進歩により『脳の構造』精神疾患の関係が
明らかになりつつある

ギャンブル依存症患者は[背外側前頭前野]と[内側前頭前野]の結合が弱く、状況を理解し柔軟にリスクに対する態度を切り替える能力に障害があることが分かりました。
ギャンブル依存症の神経メカニズム /前頭葉の一部の活動や結合の低下でリスクの取り方の柔軟性に障害/京都大学

www.kyoto-u.ac.jp

脳の活性化部位を観察した結果、喫煙欲求の強さに関わる部位として[前頭前野の腹内側部]を、喫煙可能状況に応じて喫煙欲求を促進する部位として[前頭前野の背外側面]を見いだした。
タバコを吸いたい気持ちを自己制御する2つの脳部位を発見 | 理化学研究所

www.riken.jp

行動依存症では“前頭前皮質の活動による確率判断の障害”が関連し、依存行動時の社会的リスクの高い行動をとることがどのような結果につながるかを認識できず、『依存行動』の抑制ができていないと考えられる。
行動依存症の認知特性を解明/なぜ行動依存症はリスクを犯すのか/京都大学

www.kyoto-u.ac.jp

[前部帯状回線条体]の機能的結合強度が“弱い”ほど、[線条体]におけるドーパミン受容体密度が“低く”
ドーパミン放出量』が“多く”なり、『優越の錯覚』は強くなる。
「自分は平均より優れている」と思う心の錯覚はなぜ生じるのか/科学技術振興機構

www.jst.go.jp

「芸能人の○○が愛用」「ランキング1位」「限定△名」といったうたい文句は、「自分に付加価値をつけたい」という人間の欲求を利用したやり方。それだけで自分の価値が上がるように錯覚させる。
特に、“不安やストレス”を抱えているときは、なんとかして自分をよく見せたいという欲求が高まり、流行を追い求め、より高額なものを買ってしまう傾向がある。
87%が衝動買いを経験 脳科学的に分析する「浪費」のメカニズム/ マネーポストWEB

www.moneypost.jp

参考)【認知的不協和】と脳の関係↓

過去に自分のとった行動が実際の好みに影響を与えることを明らかにすると同時に、この【認知的不協和】による好みの変化に[帯状回前部]や[前頭前野背外側部]という脳部位が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
「すっぱいブドウ」は本当か?/脳科学研究所/玉川学園

www.tamagawa.jp

↑以上のことから言えるのは『依存症』は

社会生活の中で、様々な困難や不安やストレスを抱えていく中で


①脳の前頭前野(理性)の働きによる抑制機能が低下し、本能(感情・欲望・報酬系)の暴走を制御コントロール出来なくなっている。

そして
②1つのことに依存し、それを正当化しようとする余り、冷静に自分が置かれている状況を把握・認識し、柔軟に困難や障害やリスクに対する態度を切り替える能力が衰弱している。

と言える。と同時に、そういう人ほど
③「絶対に自分は正しい。優れている。間違わない」という『優越の錯覚』が強い傾向がある。

一方で
④反対の「選択・行動・価値観」の人に対して「何もわかっていないに違いない。勉強が足りない」と思い込みやすく、その為に違う意見や批判を理解し、尊重できない。

さらに
⑤「否定された・バカにされた・攻撃された」という被害妄想から衝動的・攻撃的になる。

と考えられる

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そして、その原因の1つとして最近、注目されているのが

「不適切な養育=マルトリートメント」が子どもの脳に深刻なダメージを
与えことが脳科学の画像診断で明らかになって来ているf:id:kaltochan:20220206232234j:image

「研究グループが健常な子どものグループと愛着障害と診断された子どものグループで脳の活動度を比較したところ、愛着障害グループでは『線条体』という部分の働きが極端に落ちていることが明らかになりました」
【NHK健康】【特集】“子どもの脳”を守れ 脳科学が子育てを変える/NHK

www.nhk.or.jp

 

愛着障害』で脳に傷を負うと

[脳の抑制機能]が成長できず、
・本能(感情・欲望)の暴走をコントロールできず、
・困難にぶち当たったときの切り替え能力が麻痺し、
・生きる選択肢が狭まりストレス・不安・恐怖・不全感が増大し
・それを解消しようと攻撃的になったり
・心を守るために自分の殻に閉じこもったりそれが結果的にうつ病人格障害依存症統合失調症に繋がり
虐待の連鎖自殺凶悪犯罪(=社会的自殺)に走りやすくなる

参考)思春期に家族と良好な関係を築いていた人は後の人生でうつ病になりにくい - GIGAZINE

gigazine.net

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*『愛着障害』と『依存症』

人は生まれた瞬間から
「良い子でなければならない」「勝たなければならない」
「負けてはならない」「反抗してはならない」「逃げてはならない」
「みんなと同じでなければならない」「はみ出してはならない」
という同調圧力と強迫観念の中で
「生きづらさ」や「不安・恐怖」が増大する中で


自分の存在を正当化し「認められたい」という思いが強いほど
「何か大きなものに依存しよう」とする防衛本能が働く

『期待される自分』→不協和←『現実の自分』
           ↓
    不安・恐怖・不全感・劣等感・承認欲求
           ↓
       『依存』=防衛本能

〚何か強く大きなもの〛に依存することで
「不安・恐怖・不全感・コンプレックス⋯」を解消し
『万能感・優越感・安心感』を得ようとする

そして、そこでの自分の行動・選択・依存を正当化・絶対化し
「正義だ」と思い込み

逆に、反対の行動・選択・依存をする人を「悪だ」と思い込む

そうして
1つの価値観に依存し過ぎて
多様な価値観への切り替え能力が低下し

善悪二元論
全か無か思考
0か100か思考

その価値観=『報酬系の思考回路』の中でしか世の中を見られなくなる

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そこでは万能感・優越感・安心感を求め1つの価値観(依存先)に心酔し
物事を客観的・多角的視点で俯瞰し、冷静で柔軟な思考が出来なくなり
衝動的・短絡的な思考しかできなくなる

相手(弱者・被害者)の立場に立って考えることができなくなる

その中からカルトや御用官僚・学者・評論家やネトウヨが生まれる

  権力者・教祖・親分・企業・組織・利権・国家
  (共依存・一体化) ↕ 不安・恐怖の解消
  御用学者・評論家・官僚・カルト信者・ネトウヨ

そこでは依存を正当化するあまり、自分の価値観を絶対化するあまり
もはや話が通じない、まともな会話・質疑応答が成立しない

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そして

そこでもし依存先を否定されたら
あたかも「自分の存在が否定された」かのように感じ
被害妄想から短絡的・衝動的に攻撃してくる


自分の存在を守るため、保身からパニック状態になり
権力者・教祖・親分・企業・組織・利権を守るために嘘を付き
忖度して資料公文書を平気で改竄・捏造・廃棄する

そして批判者や被害者を攻撃・誹謗中傷する

「自分は正しい、間違わない」
「自分が不幸なのは✕✕のせい。失敗は○○のせい」
「批判者は△△と考えているに違いない」
「自分は愛国者。批判者は在日・反日・中国のスパイ」
水俣病は貧乏人が腐った魚を食べていたため」
「金が欲しくて嘘を言っている。被害者ビジネス」
原発は絶対に安全。電源喪失はありえない」
「基地反対運動は中国に操られている。金をもらってやっている」

そこでは自己正当化する余り
被害妄想陰謀論に囚われて
反対意見を理解し、尊重できなくなる
客観的に物事を見るなどができなくなる

それが水俣病の被害の拡大福島原発事故につながっている