『ネトウヨ』の心理的考察〜「愛国心」という『依存状態』〜

【認知的不協和理論】人はなぜ「陰謀論」や「歴史修正主義」のにハマるのか?

【認知的不協和理論】は朝鮮戦争時の「中国人民軍」の「米国人捕虜」に対して行なわれていた“洗脳”の仕組みや、人がブラック企業・マルチ商法・カルト宗教などに“ハマる”仕組みの説明するものとして有名で、それは「人は『不協和』が増大したときそれを解消しようと【認知を変更】する」という『心理的メカニズム』を利用したもの。
そして、それは同じように「人は、なぜ『陰謀論』や『歴史修正主義』にの“ハマる”のか」という命題にも応用できる⋯




7.【自民族中心主義】と【歴史修正(否認)主義】

*【認知的不協和理論】と【自民族中心主義】

【権力志向】【反権力志向】の対立・二極化する中で
自分の『価値観・選択・行動』が正しいことを主張するために
常に相手を攻撃・誹謗中傷する必要がある

なぜならその価値観とは
所詮、人間が作った「思い込み・幻想・妄想」に過ぎない
不安定なものだから⋯

それは日本や世界の歴史を見れば明らかだろう
常にその価値観は変化して行く

権力者は
いつ自分が追い落とされるかわからないという『不安・恐怖』があり
その『不安・恐怖』を解消するためには
『幻想(利権・支配構造)』を絶対的なものにしなければならない

天皇は神でエライ↔天皇も同じ人
日本人スゴイ↔どの民族も同じ
親に従うのは当然↔に従う必要はない
子供は親の所有物↔子供は別の人格

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6.【権力志向】は『行動依存症』の1つの形態

*【権力志向】(ファシズム)は『行動依存症』の1つの形態

人は無意識の内に『行動・依存』『価値観・信念』『感情・欲望』に一貫性を求め
そのために認知を変換する

そして、独裁国家ファシズム国家の特徴として

【認知的不協和理論】独裁の構造【権力志向】

『行動』(競争・管理・報奨・制裁・忠誠・盲従・厳罰・虐待・処刑)
『感情・欲望』(上昇欲・支配欲・被害妄想・攻撃性・排他性・富国強兵)
『価値観・信念』(全体主義・優生思想・国に命を捧げる・愛国心)

が挙げられる

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それは
中国や北朝鮮ナチスドイツや大日本帝国、あるいはカルト宗教やブラック企業やヤクザ等に共通している

その根本には、自分の存在に対する「不安と恐怖」がある

 

人は『不安や恐怖や苦痛や苦悩』に陥ったとき無意識の内に、
何かに『依存』しようとする。何かに頼ろうとする

そして
その自分の『依存行動』を正当化させようと認知を改変する
   ↓
『規則ルールの絶対化』『厳罰化』『忠誠・盲従・管理・競争』
『自民族中心主義』『陰謀論』『歴史修正主義』『富国強兵』
『人命・人権の軽視』『集団主義』『全体主義

それらは相関関係にあり

それは不安・恐怖・ストレスの増大に伴う
脳内神経伝達物質の働き(バランス異常)による
『脳の抑制機能』(共感・自省・想像・自立力)の低下に起因する

価値(認知3)の絶対化→不協和の増大→不安・恐怖・ストレスの増大
神経伝達物質のバランスの異常(ドーパミンノルアドレナリン過剰)
→脳の抑制機能の低下→依存性・承認欲求・被害妄想・攻撃性の増加f:id:kaltochan:20220207014233j:imagef:id:kaltochan:20220207014321j:image

✔不協和が増大すると抑制機能が低下する
✔不安・恐怖が増大すると何かに『依存』し『安心』を求めようとする
✔結果、騙されやすく、誘導されやすくなる
✔そして、依存行動を正当化しようと攻撃性が増し、被害妄想が強くなる

つまりは半強制的に『行動』(服従)させることによって
《不安・恐怖・ストレス》を与え不協和を増大させ
神経伝達物質(ドーパミンノルアドレナリン)を過剰放出させ
抑制機能を低下・麻痺させ

『依存的・奴隷的・攻撃的・集団主義的』な人間(兵士)を作ることができる

*【反権力志向】と『自立心』

それに対して

【反権力志向】は行動(競争・忠誠)を強制しょうとする抑圧への反抗から生まれる

成長する中で獲得してきた『自分の中の価値観・自立心・抑制機能・個性』
その個性を無視して行動を強制しようとする『親や社会の価値観』の間に
《不協和》(ギャップ)があるとき(権力・親・社会に対する)反抗が起こる

①『自分の価値観・感情』→《不協和》←②『親の期待・強制・教育』
              ↓
           どちらを取るか
        ↓            ↓ 
    ①を貫くか=反抗     ②に応えようとする=従属

社会の「〜でなければならない」という強制に対して疑問を持ち
「自分でありたい。別に競争なんてしたくない。優劣や上下に拘らない。
そのままでいい」というような『価値観』の中で「反抗心」が生まれ、
その『行動』を正当化するように認知を改変する

【認知的不協和理論】リベラルの構造【反権力志向】

『行動』(反権力・反管理・反競争・体罰禁止・死刑廃止)
『感情・欲望』(自立・弱者救済・自然保護・協調平和)
『価値観・信念』(自由・平等・公平・公正・持続可能社会)


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人は無意識の内にそれらに一貫性も持たせ
自分の『行動(自立・反抗)』を正当化させようと認知を改変する

そこから生まれてきたのが⋯
   ↓
世界宗教』『思想・哲学・科学・学術・芸術』『社会主義共産主義思想』
日本国憲法

[これらは抑圧された中で『解放・反権力・自由・平等・人権尊重・弱者救済』を
目的として生まれてきた側面がある(当初は明治維新も?)]

そうして【権力志向】と【反権力志向】に分裂・二極化していく


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5.『ネトウヨ』と『リベラル』を分けるもの〜【権力志向】と【反権力志向】

*【権力志向】と【反権力志向】

人は生まれた瞬間から否応なく、ピラミッド支配構造弱肉強食社会の中で生きていかなければならない
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それは『現在の日本』に限らず

どの政治体制や宗教や地域や時代とは関係なく、中国共産党北朝鮮金王朝や韓国や米国でも、徳川幕藩体制薩長維新政権や軍国主義でも

あるいは、学校や企業や政党や役所の中でも同じ
その中で【認知的不協和】が発生する

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その社会の中で小さいときから

認知3:ピラミッド支配構造の中で上を目指し競争する
   認知1:理想の自分・勝利・成功・褒められる(快感・優越感)
   (不協和)↑↓
   認知2:現実の自分・敗北・失敗・怒られる(恐怖・劣等感)

認知3の支配構造の中で、これ(認知1認知2)を繰り返していくうちに

『ピラミッド支配構造』(認知3)を絶対化するようになり
依存”症”的な人間ができる→保守化

 

それは“ギャンブル依存症”の“間欠的強化”と同じ原理で
目の前の“勝った負けた” “儲けた損した”⋯
それに一喜一憂し夢中になる内に、報酬系の回路が出来上がり
冷静な判断力・想像力がなくなる

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(その中で『体育会系の体罰問題』や『エリート官僚の忖度・不正』が頻発する)

権力者・教祖・上司・支配構造
     ↕(忠誠・忖度)
    自我(存在意義・依存)
     ↕(差別・体罰パワハラ・ヘイト)
  他者・子ども・弱者

ピラミッド支配構造の中で、ひたすら上を目指し
同調圧力と強迫観念の中で、不安・恐怖・ストレスの中で
“勝敗・比較・優劣・上下・順位・偏差値”の中に自分の存在意義(快楽)を見出し
そこに異常に拘る

 

人は、自分の(して来た)『行動』を正当化させるために
“認知を改変する”傾向がある

「受験があったから⋯」「苦労があったから⋯」
体罰があったから⋯」今の自分がある→体罰・虐待の正当化

 

「昔は良かった⋯」
「今の若者は⋯」などという錯覚が起こる

そして過去を美化し
自分のして来た『行動・価値観』を
子供に押し付けようとする→洗脳・教育・躾


体罰・虐待を受けて育った子供が、大人になり
同じように子供に体罰・虐待をするようになる(体罰・虐待の連鎖)


それは、絶対に逃げられないという『檻=ピラミッド構造』の中で
「自分の『存在』を正当化したい」「存在否定されたくない」
「不安・恐怖を解消したい」という心理的カニズム』がある

ピラミッド支配構造の中に自分の存在意義を求め
権力側(差別・体罰・虐待する側)に回ることで
不協和を解消しようとする【権力志向】

 

それはストックホルム症候群にも言える
狭い空間の逃げられない状況の中で
『不安と恐怖』の中で犯人に『服従』している内に
被害者がいつの間にか犯人(権力)側に立ち行動するようになる

「犯人が寝ている間に人質が警察に銃を向けるなど、人質が犯人に協力して警察に敵対する行動を取っていたことが判明した。また、解放後も人質が犯人をかばい警察に非協力的な証言を行った」
ナターシャ・カンプッシュ「これは病気(症候群)ではなく、特殊な状況に陥ったときの合理的な判断に由来する状態である。自分を誘拐した犯人の主張に自分を適合させるのは、むしろ当然である。共感を示し、コミュニケーションをとって犯罪行為に正当性を見い出そうとするのは病気ではなく、生き残るための当然の戦略である(ストックホルム症候群 - Wikipedia)

ja.m.wikipedia.org

それは自分の心と身体を守ろうとする防衛本能

それと同じ『心理的カニズム』で【権力志向】が生まれる

*【権力志向】のメカニズム

●『保守・ネトウヨ』は認知3の支配構造の中で

競争・管理・強制・体罰→存在不安・恐怖→依存・絶対服従(権力構造の絶対化)→権力者側に回ることで『万能感・優越感・安心感』を得ようとする
【権力志向】

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【権力志向】は「不安・恐怖」を解消しようとする《行動依存症》の1つの形態


自分の中にある《不協和》を解消しようとする心理的カニズム』から生まれる


権力側に回ることで、強い大きな存在と同一化(共依存)することで
心や身体が傷付くことから自分の身を守ろとする『防衛本能』

 

戦前は「鬼畜米英」を叫び、「国のために死ぬ」ことを推進し
「英霊(特攻)のおかげて日本の繁栄がある」と言っている同じ人が

戦後は
『米国従属・盲従』路線で「反共」「反中国・韓国」で憎悪・脅威を煽り
【権力(米国)支配体制】【利権構造】【富国強兵】を正当化しようと
再び子供たちに「国のために血を流す」ことを求める

 

強い者(権力・米国)と同一化し、他者(弱者)を支配・差別・憎悪することで
万能感・優越感・安心感を得ようとする


『被虐待児』は自分が「虐待」されているとは認識できない
その構造が絶対的なものだと思い込んでいるので
成長すると同じように子供を虐待するようになる

だから『虐待』している親は、自分が『虐待』しているという認識がない。虐待を否認する


それと同じように

『差別主義者』は自分が『差別』していることを認識できない
自分が権力の奴隷であることを認識できない

*【反権力志向】

それに対して『リベラル』はこの認知3(ピラミッド支配構造)懐疑・否定する

社会の構造・価値観・行動を変えていくことによって
『自己肯定感』を付け、自立することによって
不協和を低減しようとする


●『リベラル』は支配構造の中で

認知2《悪い弱い自分》の肯定→尊厳・共感・自律→ゆとり・自主性・個性尊重
→弱者視点に立って考える→弱者救済・再分配・差別反対・自然保護

弱者視点に立ち権力批判・不正追及することで不協和を解消しようとする
【反権力志向】

ゆとり教育の目的は
認知1(長所)+認知2(短所)=個性→自主性・興味の尊重→共感能力・自律心
【自己肯定感】の育成

4.【認知的不協和理論】と『洗脳』と『教育』〜「教育勅語」とは何か?〜

*【認知的不協和理論】

人は『行動』『感情・欲望』『信念・価値観』『社会・環境(他者・周囲)』が【不協和(矛盾)状態】にあるとき、知らず知らずの内に、無意識に、矛盾する“認知を改変”し一貫性をもたせ、不協和を解消しようとする

例えば、体育会系や受験エリート
ピラミッド支配構造(社会)=競争(行動)=勝敗・偏差値(信念)=上昇・闘争心(感情)
それらに一貫性をもたせ、それらを絶対化し、自分を奮い立たせる
そこで1つでも疑問に思ったら(例:競争・学歴等は無意味、マイペース等)、煽ってくる権力に対して『忠誠』から、『反抗』『脱落』に変わるf:id:kaltochan:20220206224741j:image

そして、その心理的カニズムが『洗脳』の手段としても利用される

その洗脳の目的は

「いかに自分(権力者)に忠実な、依存的人間を作るか?」
「いかに思い(期待)通りの『行動』をする人間を作るか?」
「何かあったとき、命を懸けて自分を守ってくれる人間を作るか?」

そのためには、まず疑問を抱かせないこと
小さいときから、常に精神的・物理的・社会的圧力をかけ続け、
『不安や恐怖』を植えつけること

      『洗脳の目的』

 権力者・独裁者・教祖・親分・経営者・アイドル
    支配関係 ↕ (共依存・忠誠・盲従)
 国民・信者・従業員・御用学者・ネトウヨ・消費者

『不安・恐怖・不全感』を解消する為に何かに依存しようとする圧力がかかる

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3.『依存症』になる“脳の仕組み”

*『依存症』になる脳の仕組み

現在は、医療技術の進歩により『脳の構造』精神疾患の関係が
明らかになりつつある

ギャンブル依存症患者は[背外側前頭前野]と[内側前頭前野]の結合が弱く、状況を理解し柔軟にリスクに対する態度を切り替える能力に障害があることが分かりました。
ギャンブル依存症の神経メカニズム /前頭葉の一部の活動や結合の低下でリスクの取り方の柔軟性に障害/京都大学

www.kyoto-u.ac.jp

脳の活性化部位を観察した結果、喫煙欲求の強さに関わる部位として[前頭前野の腹内側部]を、喫煙可能状況に応じて喫煙欲求を促進する部位として[前頭前野の背外側面]を見いだした。
タバコを吸いたい気持ちを自己制御する2つの脳部位を発見 | 理化学研究所

www.riken.jp

行動依存症では“前頭前皮質の活動による確率判断の障害”が関連し、依存行動時の社会的リスクの高い行動をとることがどのような結果につながるかを認識できず、『依存行動』の抑制ができていないと考えられる。
行動依存症の認知特性を解明/なぜ行動依存症はリスクを犯すのか/京都大学

www.kyoto-u.ac.jp

[前部帯状回線条体]の機能的結合強度が“弱い”ほど、[線条体]におけるドーパミン受容体密度が“低く”
ドーパミン放出量』が“多く”なり、『優越の錯覚』は強くなる。
「自分は平均より優れている」と思う心の錯覚はなぜ生じるのか/科学技術振興機構

www.jst.go.jp

「芸能人の○○が愛用」「ランキング1位」「限定△名」といったうたい文句は、「自分に付加価値をつけたい」という人間の欲求を利用したやり方。それだけで自分の価値が上がるように錯覚させる。
特に、“不安やストレス”を抱えているときは、なんとかして自分をよく見せたいという欲求が高まり、流行を追い求め、より高額なものを買ってしまう傾向がある。
87%が衝動買いを経験 脳科学的に分析する「浪費」のメカニズム/ マネーポストWEB

www.moneypost.jp

参考)【認知的不協和】と脳の関係↓

過去に自分のとった行動が実際の好みに影響を与えることを明らかにすると同時に、この【認知的不協和】による好みの変化に[帯状回前部]や[前頭前野背外側部]という脳部位が重要な役割を果たしていることを明らかにした。
「すっぱいブドウ」は本当か?/脳科学研究所/玉川学園

www.tamagawa.jp

↑以上のことから言えるのは『依存症』は

社会生活の中で、様々な困難や不安やストレスを抱えていく中で


①脳の前頭前野(理性)の働きによる抑制機能が低下し、本能(感情・欲望・報酬系)の暴走を制御コントロール出来なくなっている。

そして
②1つのことに依存し、それを正当化しようとする余り、冷静に自分が置かれている状況を把握・認識し、柔軟に困難や障害やリスクに対する態度を切り替える能力が衰弱している。

と言える。と同時に、そういう人ほど
③「絶対に自分は正しい。優れている。間違わない」という『優越の錯覚』が強い傾向がある。

一方で
④反対の「選択・行動・価値観」の人に対して「何もわかっていないに違いない。勉強が足りない」と思い込みやすく、その為に違う意見や批判を理解し、尊重できない。

さらに
⑤「否定された・バカにされた・攻撃された」という被害妄想から衝動的・攻撃的になる。

と考えられる

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そして、その原因の1つとして最近、注目されているのが

「不適切な養育=マルトリートメント」が子どもの脳に深刻なダメージを
与えことが脳科学の画像診断で明らかになって来ているf:id:kaltochan:20220206232234j:image

「研究グループが健常な子どものグループと愛着障害と診断された子どものグループで脳の活動度を比較したところ、愛着障害グループでは『線条体』という部分の働きが極端に落ちていることが明らかになりました」
【NHK健康】【特集】“子どもの脳”を守れ 脳科学が子育てを変える/NHK

www.nhk.or.jp

 

愛着障害』で脳に傷を負うと

[脳の抑制機能]が成長できず、
・本能(感情・欲望)の暴走をコントロールできず、
・困難にぶち当たったときの切り替え能力が麻痺し、
・生きる選択肢が狭まりストレス・不安・恐怖・不全感が増大し
・それを解消しようと攻撃的になったり
・心を守るために自分の殻に閉じこもったりそれが結果的にうつ病人格障害依存症統合失調症に繋がり
虐待の連鎖自殺凶悪犯罪(=社会的自殺)に走りやすくなる

参考)思春期に家族と良好な関係を築いていた人は後の人生でうつ病になりにくい - GIGAZINE

gigazine.net

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*『愛着障害』と『依存症』

人は生まれた瞬間から
「良い子でなければならない」「勝たなければならない」
「負けてはならない」「反抗してはならない」「逃げてはならない」
「みんなと同じでなければならない」「はみ出してはならない」
という同調圧力と強迫観念の中で
「生きづらさ」や「不安・恐怖」が増大する中で


自分の存在を正当化し「認められたい」という思いが強いほど
「何か大きなものに依存しよう」とする防衛本能が働く

『期待される自分』→不協和←『現実の自分』
           ↓
    不安・恐怖・不全感・劣等感・承認欲求
           ↓
       『依存』=防衛本能

〚何か強く大きなもの〛に依存することで
「不安・恐怖・不全感・コンプレックス⋯」を解消し
『万能感・優越感・安心感』を得ようとする

そして、そこでの自分の行動・選択・依存を正当化・絶対化し
「正義だ」と思い込み

逆に、反対の行動・選択・依存をする人を「悪だ」と思い込む

そうして
1つの価値観に依存し過ぎて
多様な価値観への切り替え能力が低下し

善悪二元論
全か無か思考
0か100か思考

その価値観=『報酬系の思考回路』の中でしか世の中を見られなくなる

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そこでは万能感・優越感・安心感を求め1つの価値観(依存先)に心酔し
物事を客観的・多角的視点で俯瞰し、冷静で柔軟な思考が出来なくなり
衝動的・短絡的な思考しかできなくなる

相手(弱者・被害者)の立場に立って考えることができなくなる

その中からカルトや御用官僚・学者・評論家やネトウヨが生まれる

  権力者・教祖・親分・企業・組織・利権・国家
  (共依存・一体化) ↕ 不安・恐怖の解消
  御用学者・評論家・官僚・カルト信者・ネトウヨ

そこでは依存を正当化するあまり、自分の価値観を絶対化するあまり
もはや話が通じない、まともな会話・質疑応答が成立しない

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そして

そこでもし依存先を否定されたら
あたかも「自分の存在が否定された」かのように感じ
被害妄想から短絡的・衝動的に攻撃してくる


自分の存在を守るため、保身からパニック状態になり
権力者・教祖・親分・企業・組織・利権を守るために嘘を付き
忖度して資料公文書を平気で改竄・捏造・廃棄する

そして批判者や被害者を攻撃・誹謗中傷する

「自分は正しい、間違わない」
「自分が不幸なのは✕✕のせい。失敗は○○のせい」
「批判者は△△と考えているに違いない」
「自分は愛国者。批判者は在日・反日・中国のスパイ」
水俣病は貧乏人が腐った魚を食べていたため」
「金が欲しくて嘘を言っている。被害者ビジネス」
原発は絶対に安全。電源喪失はありえない」
「基地反対運動は中国に操られている。金をもらってやっている」

そこでは自己正当化する余り
被害妄想陰謀論に囚われて
反対意見を理解し、尊重できなくなる
客観的に物事を見るなどができなくなる

それが水俣病の被害の拡大福島原発事故につながっている

2.『行動(依存症)』の正当化→認知の歪み

*『依存症』とは?

『依存症』とは、

・心身の健康や、生活を脅かしているにも関わらず
 特定の物質や行動を「やめたくてもやめられない」状態

・脳内に報酬(ごほうび)を求める“回路”ができあがり
 脳の思考や創造性を担う部位(前頭前野)の機能が低下し
 自分の意思(理性)行動(本能)の暴走をコントロールできなくなっている

『脳の病気』

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*「依存」を大きく2つに分類すると

アルコール・ニコチン・薬物などに関連する物質系の依存と
ギャンブルなどの行動や“習慣”に関連する「非物質系の依存があるf:id:kaltochan:20220206231632j:image

*依存症の『心理学的な特徴』として

①異常な執着

 大量・長時間・長期間にわたって依存対象に異常に執着し
 日常生活に支障をきたす

②否認

 依存症は《否認の病気》ともいわれ
 自分が病気だと認識できない

 自分が置かれている状況や問題を認識できず
 医者や批判者に対して

 「自分は正常。いつでもやめられる」
 「✕✕は自分よりもっと酷い」「相手が悪い」など

 事実を認めず
 自分の行動を“正当化”しようとする

 時にはそういった症状が原因で他者に対して攻撃的になり
 暴言や暴力を振るい、凶悪犯罪にまで発展する

③衝動性

 「将来よくない結果をもたらす可能性があるにもかかわらず
 目前の欲求を満たすために手っ取り早い行動を行ってしまう特性」

 喫煙に対する依存では、禁煙場所での喫煙を注意された者
 携帯電話に対する依存では、車内での通話を注意された者など

 自分に落ち度があるにもかかわらず、依存行為を阻止されたことを端緒に
 逆恨みから“短絡的・衝動的”な暴力事件がしばしば起こる

④行為の強化

 報酬による行為の強化には「行為A」のあとに必ず「報酬B」
 与えられる“定型的強化”と、「行為A」のあと気まぐれに「報酬B」
 与えられる“間欠的強化”があり “間欠的強化”のほうが「行為A」への
 執着が高まることが知られており
 これはギャンブル依存症発症の機序のひとつとされる

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*依存症になる要因として

現実生活の中で何らかの苦痛や困難やストレスに遭遇し
一時的な逃避の手段として依存したり

またコンプレックスや“生きづらさ”を抱える中で
その弱点を解消とする手段として依存する中で

報酬系の回路』が出来上がり、脳の抑制機能(理性)が麻痺してしてしまい
「やめたくてもやめられなくなる 」


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*『依存』の正当化→【認知の歪み】

そして一旦、その報酬系の回路』が出来上がると
その行動(依存)を正当化するために認知を改変する→【認知の歪み】

いじめ・体罰・虐待・暴言・誹謗中傷・煽り運転・窃盗・痴漢・差別・
パワハラ・クレーマー・ストーカー・ヘイト・ネット荒らし・バイトテロ⋯

『理想の自分』『現実の自分』との不協和(ギャップ)の中で
不安・恐怖・鬱屈・不全感・ストレス・劣等感などが増大していくうちに
それを解消しようとする圧力が高まり

万能感優越感支配欲承認欲求を満たすために
自分を大きく見せ、他者を攻撃するうちに
報酬系の回路』が出来上がり、快感(ドーパミン放出)を追い求め
何度も同じ行動(犯罪)を繰り返してしまう

 

脳の抑制機能=想像力が麻痺してしまい
歯止めが効かなくなり、どんどんとエスカレートしていく


そしてその自分の行動を正当化しようとする余り、認知が歪み
冷静に状況を把握し、相手の立場になって考えることが出来なくなる

 

自分の依存行動・迷惑行動への批判や反対意見に対して
「侮辱された、バカにされた、存在を否定された」と感じ
激怒し、執拗に粘着攻撃する

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つまり

『行動(依存症)』の正当化→【認知の歪み】

と言える


では、具体的に『依存症』になると『脳』はどうなっているのか?

【認知の歪み】はどうして生まれてくるのか?

1.【認知的不協和理論】とは、自分の「行動」を正当化しようとする『心理的メカニズム』

【認知的不協和】とは?

『自分が正しいと信じてきた認知(考え・行動・価値観)』とは別の
『新しい・矛盾する認知』が出てきた状態

 

あるいは

 

『理想の自分』『現実の自分』との《不協和(ギャップ・矛盾)》の間で
バランスが取れなくなっている状態

で、そのときに覚える“不快感”や“ストレス”を表す社会心理学用語” f:id:kaltochan:20220206230352j:image

そして

人は【認知的不協和】(矛盾)の状態にあるとき
何とかそこから抜け出し、矛盾を解消し
自分の『行動』を正当化しようとする

その考え方を【認知的不協和理論】という

 


この理論を提唱した“レオン・フェスティンガー”の仮説 によると

1;不協和を低減・解消させるために何らかの圧力(行動)を起こす

 

具体的には
“古い認知”か“新しい認知”のいずれかを否定する傾向にあり

“新しい認知”を取り入れ、“古い認知”を変える
“古い認知”に拘り、“新しい認知”を否定する

のどちらかのことが多い

 

その場合

比較的「変えやすい」方の認知を変えることで
「絶対に変えられない」認知を正当化しようとする

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または

③都合のいい情報ばかりを集め(認知の追加)
 “都合の悪い”情報を避けたり、解釈を変更することで
 不快感やストレスを無意識に解消しようとする(合理化)

そうして不協和を低減・解消し自己正当化する


例えば『失敗』をした場合、その《事実》は絶対に変えられないので
その損害を最小限を食い止めようと行動したり
また、それを正当化しようと都合の良い方に考える

 

無意識にその「嫌なこと・都合の悪いこと」を避け・矮小化るように
認知を変更する

 

例)好きだった人に振られた途端に、憎悪し、悪口を拡散する
  →心が傷付かないように“無意識に”「好み」が変わる
例)すっぱい葡萄(日)wikipedia


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参考図)「すっぱいブドウ」は本当か?|脳科学研究所|玉川学園


『価値観(好み・欲望・信念)』→《不協和》←『行動(失敗・挫折・諦め)』
               ↓
        不協和を解消しようとする圧力
     (心の痛みを低減させるようとする防衛機制)
               ↓
   『行動』を正当化させるために『価値観・好み』を変更する

 

2;不協和を低減させる圧力の強弱は不協和の大きさの関数である

不協和の度合いが大きければ大きいほど
それに比例して低減させようとする圧力は大きくなる

●『理想の自分』と『現実の自分』との不協和(ギャップ)が大きいほど
●心の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感・ストレス』が大きいほど⋯
●自分の《感情・価値観》と周りの人々《社会・環境・政治など》との
 温度差(ギャップ)が大きいほど⋯

それを解消しようとする圧力が高まり
冷静になって客観的・論理的・合理的な思考することができなくなり⋯

○デマ・噂・流言を信じ込みやすくなる
○『詐欺・マルチ商法・カルト宗教・陰謀論⋯』にハマりやすく
○「みんなと同じでなければならない」「遅れてはならない」と
 ひたすら『流行・ファッション』を追い求め
○『全体主義・独裁主義・ファシズム』に陥りやすくなる

 

自分の拘りが強いほど⋯
「〜でなければならない。みんなと同じでなければならない」
「バカにされたくない。認められたい」
という思いが強いほど、感情的・衝動的・攻撃的になる


また、それが地震の後の
デマ・噂・流言が広まる原因となる→【認知の改変・追加】

 

自分の中の“不安・恐怖”を正当化するために“デマ・噂・流言”を信じ
それを吹聴・拡散する(無意識に嘘をつく・脅迫する・不安に陥れる)ことで
『自分』と『周り』の不協和(ギャップ)を解消しようとする

 

心の中の“不安・恐怖”が大きければ大きいほど、より過激になり
行動がエスカレートしていく


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参考)Leon Festinger(en.wikipedia)

 

【認知的不協和理論】とは、
自分の「行動(依存)」を正当化しようとする『心理的カニズム』

タバコの例を見ると⋯

認知1.タバコを吸う(古い認知)
 ↕ (認知的不協和)
認知2.タバコを吸うと肺癌になりやすい(新しい認知)

この不協和を解消するためこのには?⋯

選択A=認知1の変更
 認知3.禁煙する

これで不協和は解消する


⋯しかし実際には
『ニコチン依存症』になると簡単にはやめられない

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そうすると
喫煙(依存)を『正当化』するために《新しい認知を追加する》

選択B=認知の追加→認知2の否認・矮小化
  認知4.長寿の人もいる
  認知5.交通事故で死亡する確率の方が高い

そうして都合の悪い(肺癌になりやすい)ことを否認・矮小化し
見えなくすることで、自分の行動(依存)を正当化しようとする


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そう考えると⋯

【認知的不協和理論】は
自分の『行動』(依存)や『価値観・信念』(〜でなければならない)や
『欲望・感情』(不安・恐怖・快感・憎悪・怒り)を正当化しようとする
心理的カニズム』である

と言える